たぼ)” の例文
「よう。」とつて、茫然ばうぜんとしてつた。が、ちよこ/\と衣紋繕えもんづくろひをして、くるまけはじめる。とたぼ心着こゝろづいたか一寸々々ちよい/\此方こなた振返ふりかへる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
言畢いひをはつて、かたけ、ゆきなすむねだらけの無手むずき、よこつかんで、ニタ/\とわらふ。……とたぼ可厭いとはず、うなじせななびいてえる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蒋生しやうせいニタリとなり、つかずはなれず尾之これをびす、とある工合ぐあひが、ことで、たぼつたは牛車うしぐるま相違さうゐない。うして蜻蛉とんぼられるやうでも、馬車ばしやだとうは呼吸いきつゞかぬ。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)