“牛車”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うしぐるま28.0%
ぎっしゃ24.0%
くるま22.0%
ぎゅうしゃ12.0%
ぎうしや4.0%
ぐるま4.0%
カルトン4.0%
ぎつしや2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遠くの橋を牛車うしぐるまでも通るように、かたんかたんと、三崎座の昼芝居の、つけを打つのが合間に聞え、はやしの音がシャラシャラと路地裏の大溝おおどぶへ響く。……
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さりとて何を争うことも出来ないので、すごすごと別れてここを立ち去ると、青糸毛の牛車ぎっしゃがこの屋敷の門前をしずかにきしらせて通った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
月輪つきのわの里まで送って行くつもりであったが、姫を乗せた牛車くるまが四、五町行くと、彼方かなたから一団のほのおと人影とが駈けてくるのと出会った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんなことをしているあいだに、かねをのせた牛車ぎゅうしゃはもうしんたのむねをおりてしまっていた。五ねん以上いじょうものは、がせいてたまらなかった。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
常ながらおもて通るは夜發よだちして多摩よりのぼる牛車ぎうしやかもあはれ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
だから俺は、十八公麿と呼ぶ。——貧乏公卿くげのせがれ、なぜ、返辞をせぬのか。——がたがた牛車ぐるまで、日野の学舎まなびやに通ったころを
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まず牛車カルトンを雇って荷物を積み込み、そして道なき山を分け進んだが、もとより旅館はなく日が暮れると、ごろりと野宿して避難民めいた。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
嵯峨の狐は牛車ぎつしやに化ける。高陽川かやがはの狐はわらはに化ける。桃薗ももぞのの狐は大池に化け——狐の事なぞはどうでもい。ええと、何を考へてゐたのだつけ?
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)