牛車ぐるま)” の例文
だから俺は、十八公麿と呼ぶ。——貧乏公卿くげのせがれ、なぜ、返辞をせぬのか。——がたがた牛車ぐるまで、日野の学舎まなびやに通ったころを
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が落魄おちぶ公卿くげの子とわらわれ、ガタガタ牛車ぐるまで日野の学舎へ通う時、自分は時めく平相国へいしょうこく家人けにん嫡子ちゃくしとして、多くのさむらいを供につれ、美々しい牛車に鞭打むちうたせて、日ごとに
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近くの公家くげやしきの門を叩き、ありあう牛車ぐるまを曳き出してそれへおすすめ申しあげ、無我夢中で禁門のあたりまで牛を打っていそいだが……あとで思うと、いかに非常の中といえ
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)