“寡婦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やもめ42.4%
かふ37.6%
ごけ15.3%
くわふ3.5%
をんな1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それにもう一つ悲しいことには、わたし達はそのとき、二人とも寡婦やもめになっていました。何方どちらも、良人おっとが戦争に出て戦死したのです。
二人の母親 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
乙女の愛の芽生えから結婚、出産、最後に寡婦かふの淋しさまで八曲に歌ったもので、その純粋な愛情と美しい悩みは人を揺り動かす。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
それに不思議な事には、寡婦ごけさんに耳を引張られると、国士どころか、何だか自分が鍋か兎ででもあるやうな気がする事だつた。
収穫は次第につて、家が貧しくなつて、跡には母と私とが殆ど無財産の寡婦くわふ孤児として残つた。ただに寡婦孤児だといふのみではない。私共は刑余けいよの人の妻子である。日蔭ものである。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
無理もないと思ひつゝも、智恵子の心には思ひもかけぬ怪しき陰翳かげがさした。智恵子は心から此哀れなる寡婦をんなに同情してゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)