“ごけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ゴケ
語句割合
後家68.3%
寡婦10.6%
5.7%
碁笥4.9%
未亡人3.3%
白首2.4%
嬬婦0.8%
寡家0.8%
御懸0.8%
未亡0.8%
(他:2)1.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それを聞いて、与兵衛らはひどく驚いたらしく、いまは後家ごけとなった女房のお才をはじめ、親類一同を奥の間へ呼びあつめて、俄かに評議を開いた。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と云ふのは、この頃、大黒座で打つてゐる役者一座の一人が、さうたび/\、後家ごけさんや娘に買はれに來るのだと思はれては、迷惑だからであつた。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
僕は、一つ、不思議に、思っている、ことが、あるんだが、あの日に、姉崎の後家ごけさんは、誰か、秘密な客を、待ち受けて、いたんじゃあるまいか。
悪霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ステツキといふのは、さる富豪ものもち寡婦ごけさんが贈つて来たもので、匂ひの高い木に金金具きんかなぐが贅沢に打ちつけてあつた。
「酒かい。」徳蔵氏は寡婦ごけさんのやうな悲しさうな声をした。「酒もこの頃では余りやらん事に決めとるよ、まあさかづきに五六杯といふところかな。」
彼女は、未だうら若い寡婦ごけさんで——尤も僕よりは一つ方姉さんでしたが——健康そうな肉体を持った相当美しい女であったので、少らず僕の心を囚えていたし
象牙の牌 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
水はどろりとして薄黒く、浮きごけのヤリが流れる方向もなく点々と青みが散らばってちょうどたまり水のような濁り水の上を、元気なくゆらりゆらりと漕いでゆくのである。
水籠 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
これはたぶん複眼の多数のレンズの作用でちょうどひかごけの場合と同じような反射をするせいと思われる。
からすうりの花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これは多分複眼の多数のレンズの作用で丁度ひかごけの場合と同じような反射をするせいと思われる。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
庄吉は二目まで打込まれてゐたことを忘れず黒石を二つ並べたが、太平はしばらくその石を見つめてゐたのち、とりあげて庄吉の碁笥ごけの中へ投げ入れた。
外套と青空 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
黙ったまま碁笥ごけをとった泰軒は、やにわにそれを荒々しく振り立てた。無数の石の触れ合う音が騒然と部屋に流れる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼は客と石の吟味をした後に、じぶんの石を碁笥ごけに入れて盤の上に置いた。
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
波斯ペルシヤで亭主に死別しにわかれたばかしの、新しい未亡人ごけさんを訪ねると、屹度きつと棚の上に大事さうに瓶が置いてあるのが目につく。
今も歌ふは当初そのむかし露友ろゆう未亡人ごけなる荻江おぎえのお幾が、かの朝倉での行違ゆきちがいを、おいのすさびにつらねた一ふし三下さんさが
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「僕が友人の未亡人ごけさん達の世話を焼いてるのを、何とか言つてる人もあるさうなが、君は聴かんかい。」
「俺にだってかかあや子供はいるんだで」白首ごけのことを話した漁夫が急に怒ったように云った。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
会社をやめて、バアーの女給さんになったり、たまには白首ごけになったりする女工さんがあるのを。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「あの白首ごけ、身体こったらに小せえくせに、とても上手うめえがったどオ!」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
彼が家督を相続した頃には、運のわるいお時はもう嬬婦ごけになってしまって、まだ八つか九つの十吉を抱えて身の振り方にも迷っているのを、外記が救いの手をひろげてかばってくれた。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
其内親分がある寡家ごけに入りびたりになって、お広さんが其処に泣きわめきの幕を出したり、かかり子の亥之吉が盲唖学校を卒業して一本立になっても母親をかまいつけなかったり、お広さんの末路は大分困難になって来ました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
幸いにわたくしは、陣中も病気知らずで、武運にも毎度めぐまれ、殿さまのお覚えもまずよい方ですから、息子のことはさらさら御懸ごけねんなく、ひたすら御自身の御養生と、日々のおたのしみをもっぱらお努めありますように。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お近はもと/\お辰とは意氣の合ふといふ中にも非らず、亡き良人つまが親友の未亡ごけ人さまといふばかり、平常は與之助の好きて通ふをさへ苦々敷いひけるも、此度びのはからひの如何いかに説きてか我が手にさへ乘らざりしを鎭づめて
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「……淫賣ごけになんかしたくねえよ。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
淫賣ごけでもしてるべよ。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
真円な池の大半がミズごけに埋れて水の形が新月形に残って居るから、鎌ヶ池と名づけたと云う人もあるが、昔鴨が沢山棲んで居たから鴨ヶ池と云ったのが訛転したのだとも云う。
女子霧ヶ峰登山記 (新字新仮名) / 島木赤彦(著)