“おうち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
19.2%
御家11.5%
桜痴11.5%
9.6%
御宅7.7%
吾家5.8%
邑智5.8%
凹地5.8%
御内5.8%
貴女3.8%
貴方1.9%
家庭1.9%
御主人1.9%
御当家1.9%
貴家1.9%
逢痴1.9%
香箱1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宗盛親子の首は、二十三日、京に着いて、三条通りを西へ、東洞院へ引き廻してから、おうちの木に掛けて獄門にさらした。
「どうぞ。——まあ試しに使って見て下さい。あなたの御家おうちの——と云っちゃ余り変ですが、あなたの私事わたくしごとにででもいいから、ちょっと使って見て下さい」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、坪内君が『桐一葉』を書いた時は団十郎が羅馬ローマ法王で、桜痴おうち居士が大宰相で、黙阿弥もくあみ劇が憲法となってる大専制国であった。
その他冬青木もち、椿、楢、はぜおうちむく、とべら、胡頽子ぐみ、臭木等多く、たらなどの思ひがけないものも立ち混つてゐる。
沼津千本松原 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
「この間こしらえた旦那様の外套マントでも取られようものなら、それこそ騒ぎでございましたね。御宅おうちでなくって坂井さんだったから、本当に結構でございます」と真面目まじめよろこびの言葉を述べたので
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
上野に玩具おもちゃの展覧会があった日には、お房も皆なに連れられて出掛けたが、何を見てもさ程面白がりもしないし、象や猿の居る動物園へ寄っても「早く吾家おうちへ帰りましょう」とばかりで
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
邑智おうち郡市山村は仕事が最も盛であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
澗間たにま凹地おうちに引出された女どもの疳高かんだか号泣ごうきゅうがしばらくつづいた後、突然それが夜の沈黙にまれたようにフッと消えていくのを、軍幕の中の将士一同は粛然しゅくぜんたる思いで聞いた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「おお御辺ごへんが、徳川どのの御内おうちに、井伊の赤備あかぞなえと、聞えの高い、兵部直政どのか。……いや、お若いのう。それがしが、佐々さっさ成政。お見しりおかれよ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴女おうちが悪いんのんとちがいま。うちの人がなんし水の中ばっかしで暮して来やはったんで、陸の上を歩くのが下手糞だしたさかい、おまけに雪降りの道でっしゃろ?」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「恥かしいですけど、お茶はあんまりしてませんの。是非教わろうと思てるんですけど。——ところで、話ちがいますけど、貴方おうちキネマスターで誰がお好きですか?」
秋深き (新字新仮名) / 織田作之助(著)
貴方おうちのような鋭い方は、あの人の欠点くらいすぐ見抜ける筈でっけど……」
秋深き (新字新仮名) / 織田作之助(著)
旦那様がこれですから、奥様は家庭おうちを温泉の宿のような気で、働くという昼があるでなければ、休むという夜があるでもなし、毎日好いた事して暮しました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「さあ、どうか。非常にごぶさたをしました。御主人おうちじゃ相変わらずおせわしいでしょうな。ははははは」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
御当家おうちへ迷惑はかけないから、帰るまでああして蔵匿かくまって置いて下さらないか、衣服きものに血がついてたり、おどおどしている処を見ると、邪慳じゃけんしゅうとめにいびられる嫁か。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貴家おうちの白と天狗犬とで咬み殺したものであろ、死骸を見せてよく白を教誡していただき度い、と云う意を述べた。同時に白が度々隣家の鶏卵を盗み食うた罪状も明らかになった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
やってみたら、どんなものだろう。伊右衛門はわっし、お岩は逢痴おうちと、配役はざっとこんなもんでさあ
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ね、みんなすこしの間、この香箱おうちね、繭さんにかしてあげてねと言ひきかせたりしたものだつた。
桑摘み (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)