“こばこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小函32.4%
小筥26.5%
小箱14.7%
小匣8.8%
小筐5.9%
2.9%
小凾2.9%
小篋2.9%
香箱2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「糸ちゃん、望みが叶うと、よ、もやいの石鹸しゃぼんなんか使わせやしない。お京さんの肌の香がぷんとする、女持の小函こばこをわざと持たせてあげるよ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と団さんは将来を戒めて、小筥こばこに入れた品物を二人に返した。田口さんの虎はその儘お父さんのネクタイと三輪さんの袖口から日本全国を遊覧することになった。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「これだね。」と、老人ろうじんは、そばにあった小箱こばこのひきだしから、ぬのつつんだ、あおいし根掛ねがけをして、おとこわたしました。おとこは、だまって熱心ねっしんていましたが
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
帯の間から、小さい、紙の小匣こばこを取り出した。「快上快クワイシャンクワイ」だ。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
「いかに大事な品であろうと、この孫策は、一箇の小筐こばこの中になど大志は寄せぬ。わが大望は天地に持つ」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その中には、銭塘の富豪が家宝とした宝石のこばこなどもあった。けれど孫堅は、一物も礼など受けなかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こいつには、土産の宝石を持たせて、早く追帰すにくはないと考えついたので、わしは川村をわしの部屋へ誘い出し、用意の小凾こばこに納めた宝石を手渡しした。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
色なる小篋こばこすくひ、じやかうの
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
なにしろ年をとって来てね、歯はばくばくになる、ねずみのやつをおいまわすよりか、ろばたで香箱こばこつくって、ごろにゃん、ごろにゃん、のどをならしていたくなるさ。