“小筥”の読み方と例文
読み方割合
こばこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
玉枝は、父子おやこ喧嘩を取做とりなすようにそう言って、帛紗ふくさから出した小筥こばこを、卓の端にのせた。古代蒔絵こだいまきえとろけそうな筥である。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と団さんは将来を戒めて、小筥こばこに入れた品物を二人に返した。田口さんの虎はその儘お父さんのネクタイと三輪さんの袖口から日本全国を遊覧することになった。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼女はそれから、小筥こばこの中からそっと取りだした一枚の紙片を、鳩の足にゆわえつけると、庭へ出て、一度強く鳩を胸に抱きめながら、頬をつけてから手を離した。
(新字新仮名) / 池谷信三郎(著)