“小路”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうじ52.1%
こみち22.9%
こうぢ16.7%
しょうじ2.8%
せうぢ1.4%
アレイ1.4%
かうぢ0.7%
こじ0.7%
しょうろ0.7%
アレー0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしは貧しい若者で、たいへんせまい小路こうじの一つに住んでいます。といっても、光がさしてこないというようなことはありません。
かかる折から、柳、桜、緋桃ひもも小路こみちを、うららかな日にそっと通る、とかすみいろど日光ひざしうちに、何処どこともなく雛の影、人形の影が徜徉さまよう、……
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
静かな小路こうぢうちに、自分の足音あしおと丈が高くひゞいた。代助はけながら猶恐ろしくなつた。あしゆるめた時は、非常に呼息いきくるしくなつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
余は夏蜜柑なつみかんの皮をいて、一房ひとふさごとに裂いてはみ、裂いては噛んで、あてどもなくさまようていると、いつのにやら幅一間ぐらいの小路しょうじに出た。
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いへ小路せうぢ引込ひつこんで、とほりのかどに「蒲燒かばやき」といた行燈あんどうばかりあり。はややつがむやみと飛込とびこむと仕立屋したてやなりしぞ不思議ふしぎなる。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あの迷園のようなイースト・エンドを構成する暗い四つ角、年中じめじめと悪臭に湿っている小路アレイ、黒い低い建物に取りまかれた中庭、それらが惨劇の舞台だった。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
小路かうぢらし、病人やまうど
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
神保町じんぼうちょうの停留場で我々は降りた。その辺の迷路にも似た小路こじを、あちこちと二三丁歩いて、ある建物の前に来た時に、彼は立止って突然いきなりその呼鈴ベルを押した。
真珠塔の秘密 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
上海シャンハイ大路たいろ小路しょうろをうろうろしていたのである。
場面は、ホワイトフライアーズのハンギング・ソード小路アレーにおけるクランチャー氏の私宅であった。時は、わが主の紀元アノー・ドミナイ千七百八十年、風の強い三月のある日の朝、七時半。