“こじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コジ
語句割合
居士44.1%
故事12.7%
孤児7.8%
誇示6.9%
4.9%
小焦2.9%
2.9%
固辞2.0%
孤兒2.0%
己事2.0%
(他:12)11.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鉄腸居士こじを父とし、天台道士を師とし、木堂翁ぼくどうおうに私淑していたかと思われる末広君には一面気鋒の鋭い点があり痛烈な皮肉もあった。
工学博士末広恭二君 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
泥足どろあしのままおくするところもなく自ら先に立って室内へ通った泰軒居士こじ、いきなり腰をおろしながらひょいと忠相の書見台をのぞいて、
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
其時そのとき居士こじは、自分じぶん坐禪ざぜんをしながら、何時いつかずにうと/\とねむつて仕舞しまつてゐて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
近頃海外では農芸に電気を応用する事がようやく盛んになろうとしているから、稲妻の伝説と何か故事こじつけが出来そうである。
歳時記新註 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
故事こじ出典その他修辞上の装飾には随分、仏書漢籍の影響も見えるが、文脈に至っては、純然たる日本の女言葉である。
『新訳源氏物語』初版の序 (新字新仮名) / 上田敏(著)
「わかった、わかった、なんのわけはない、そんなことなら、もうこっちのもんだ。いかに藤波が眼はしがきいたって、こういう故事こじは知るまいから、とてもそこまでは探索はとどくまい」
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ある地主じぬしは、ようたしでおてらのそばをとおると、ちょうど孤児こじたちが、にわあそんでいました。
子供は悲しみを知らず (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あたしたちに、もう、自分の子供が出来るあてがないとしたら、いっそのこと、可哀かわいそうな孤児こじかなんかを養子ようしにもらったらどうでしょう。」
やんちゃオートバイ (新字新仮名) / 木内高音(著)
モコウは両親もなき孤児こじで船のコックになったり、労役ろうえき奴隷どれいになったりしていたが、富士男の父に救われてから幸福な月日をおくっている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
こんな事をヌケヌケと言ふのは、自分の遊びつ振りを誇示こじするといふよりは、つまらない疑ひに卷き込まれる、恐怖のさせるわざでせう。
文代を桜姫になぞらえ、自ら清玄に扮した思いつきには、ゾッとする様な、犯罪者のいびつな誇示こじがあった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ずいぶん己れを持することの高い当時の武人といえども、これほど思いきって、自分を誇示こじしたものはない。従来から彼に仕えていた守将たちはともかく、被征服地の地侍や一般民は何とこの高札を見たろうか。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その上、彼をこじらすためのように、夫人は勧められて「京の四季」かなにかを、みんなの余興の中に加ってうたった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
此の敵城あることをばそれがしも存ぜず候間に、先手の者ども、はや攻落して候、と空嘯そらうそぶいて片付けて置いて、さてそれからが反対に政宗の言葉に棒を刺してこじって居る。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「いや、そうお叱りなさるな。小児というものは、その時の調子でひょいとこじれることがあるもんですよ。まあ、あとで食べさせたらいいでしょう。」と、旅人は笑いを含んでなだめるように言った。
木曽の旅人 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「女を連れてまいるもよいが、出際になって、髪がどうの、帯がなんの、あれが、実に男にとっては、小焦こじれッたいものでござる」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小焦こじれってえから、ちっと嚇かしてやったんですが、案外意気地のねえ野郎で、まったく嘘いつわりは云いませんからどうか勘弁してくれと、真っ蒼な顔をして泣かねえばかりに云うので
「むかし者のお話はとかく前置きが長いので、今の若い方たちには小焦こじれったいかも知れませんが、話す方の身になると、やはり詳しく説明してかからないと何だか自分の気が済まないというわけですから、何も因果、まあ我慢してお聴きください」
半七捕物帳:44 むらさき鯉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
と力に任して二ツ三ツこじりましたから、無慙にもおくのは、一歳ひとつになるお定を負ったなり殺されました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と云いながら、刀を逆手さかてに持直し、肩胛かいがらぼねの所からうんと力に任して突きながらこじり廻したから、たった一突きでぶる/\と身を慄わして、其の儘息は絶えましたが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と上から力に任してこじったから、うーんと苦しむ。すると嬉しがって左官の宰取が来まして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と、どうしても、彼もまた、固辞こじしてき容れなかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女はそれを固辞こじした。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これは、この娘の恩人、敬虔けいけんな慈悲深い貴婦人から聞かされた事實である。その婦人は、この子を孤兒こじの境界から引きとり、我が子同樣に育てられたのである。
泣きながらのお道の話を聽くと、番頭の利八郎は若い時放埒はうらつで、隣町の師匠に隱し子を拵へ、大分金を注ぎ込みましたが、嚴格な主人を憚つてツイそれを打明け兼ねてゐるうち、師匠は死んで娘のお道は孤兒こじになり
われ三等さんとう弟子でしあり。所謂いはゆる猛烈まうれつにして諸縁しよえん放下はうげし、專一せんいつ己事こじ究明きうめいするこれ上等じやうとうづく。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「我に三等の弟子あり。いわゆる猛烈にして諸縁しょえん放下ほうげし、専一に己事こじを究明するこれを上等と名づく。修業純ならず駁雑はくざつ学を好む、これを中等と云う」と云々という、余り長くはないものであった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
風聞にれば総角そうかくの頃に早く怙恃こじうしない、寄辺渚よるべなぎさたななし小舟おぶねでは無く宿無小僧となり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
蘭軒は足掛二年の旅の間に、怙恃こじ併せ喪つたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
召し取ることはよいが、相手も相当名を売ったやつなんだから、もし刀にものをいわせるようなことになって、そのまま命を奪ってしまうようなことになれば、せっかく虎穴こけつに入って、貴重な虎児こじを取り逃がしてしまったのでは
「恐竜にさとられたら、それこそ俺たちは生きちゃいられねえんだ。虎口ここうに入らずんば虎児こじを得ずっていう東洋の格言があらあ、俺たちはキッドの財宝ざいほうを得るために恐竜の穴に入ったんだ。大冒険なんだぜ、命がけの探検なんだぜ。どうもお前たちは、俺のこの気持がわからねえんでいけないよ。第一……」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
丹治は我が可愛い忰を噛殺されましたから焦立いらだって庭へ飛び下り、馬の脇腹へ刀を突込んでこじりましたゆえ、流石さすがたけ大馬おおうまも其の場へバッタリと横仆よこたおしになる上へし懸り、力に任せてギューと無闇にこじりましたから、馬は其の儘悲しい声をあげて息は絶えました。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
年老いたる番僧の露西亜人ろしあびとに導かれて、古寺こじの廃跡いし累々るゐ/\たるを見つゝ、小石階せうせきかいを下りて、穹窿きゆうりゆうの建物いと小さく低きが中に入る。
村の附近に古寺こじあとあり、地下室にバプテスマのヨハネの墓、エリシヤの墓、オバデヤの墓など称するものあり。村人古銭など持ち来りてすゝむ。山上より西に地中海の寸碧すんぺきを見る。
いたずらに、我説がせつ固持こじして、論争の陣を張っていた酒井忠次も石川数正も、かれが憤然ふんぜんと席を蹴ったすがたに、眼をみはって、
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
端的にいえば、彼女等は両親も知らぬ孤子こじ、又は金に売られた貧民の子供だったのだ。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「おい、阿母おっかあ。いつまでそんな廻りくどいことを言ってるんだ、聞いてても小憤こじれってえ。」と傍から一人がひき取って、「万年屋さん、お前がそんな心配しねえでも、上さんの勘定はその日その日にちゃんとすんでるんだとよ。」
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
その辺の迷路にも似た小路こじを、あちこちと二三丁歩いて、ある建物の前に来た時に、彼は立止って突然いきなりその呼鈴ベルを押した。
真珠塔の秘密 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
菫色の薔薇ばらの花、こじけた小娘こむすめしとやかさが見える黄色きいろ薔薇ばらの花、おまへの眼はひとよりも大きい、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
聾者ろうしや能く聞き瞽者こしや能く見る、劒戟も折つてくらふべく鼎钁ていくわくも就いて浴すべし、世界はほと/\朕がまゝなり、黄身わうしんの匹夫、碧眼の胡児こじ烏滸をこの者ども朕を如何にか為し得べき
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)