“こじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コジ
語句割合
居士42.6%
故事13.0%
孤児8.7%
誇示6.1%
5.2%
3.5%
固辞2.6%
小焦2.6%
怙恃2.6%
虎児2.6%
孤兒1.7%
己事1.7%
古寺0.9%
0.9%
固持0.9%
孤子0.9%
小憤0.9%
小路0.9%
0.9%
胡児0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
泥足どろあしのままおくするところもなく自ら先に立って室内へ通った泰軒居士こじ、いきなり腰をおろしながらひょいと忠相の書見台をのぞいて
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
告朔こくさく餼羊きようと云う故事こじもある事だから、これでもやらんよりはましかも知れない。しかしやっても別段主人のためにはならない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
モコウは両親もなき孤児こじで船のコックになったり、労役ろうえき奴隷どれいになったりしていたが、富士男の父に救われてから幸福な月日をおくっている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
信長の怒りに会って、どうめつけられようが、顔つきを誇示こじされようが、いっこうに受身の彼のほうは切迫した反射を示さないのである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此の敵城あることをばそれがしも存ぜず候間に、先手の者ども、はや攻落して候、と空嘯そらうそぶいて片付けて置いて、さてそれからが反対に政宗の言葉に棒を刺してこじって居る。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『よし、おれが開ける』と言って、火箸でこじろうとしたら、仕方がなしに家内が開けた
妻の秘密筥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と、どうしても、彼もまた、固辞こじしてき容れなかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小焦こじれってえから、ちっと嚇かしてやったんですが、案外意気地のねえ野郎で、まったく嘘いつわりは云いませんからどうか勘弁してくれと、真っ蒼な顔をして泣かねえばかりに云うので
家貧きが上に幼時怙恃こじを失い諸方に流浪し、山本緑陰の家に食客となること三年。上野寛永寺に入って独学し、文政年間始めて駒込に僦居しゅうきょくだして徒に授けた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
虎口ここうに入らずんば虎児こじを得ずっていう東洋の格言があらあ、俺たちはキッドの財宝ざいほうを得るために恐竜の穴に入ったんだ。大冒険なんだぜ、命がけの探検なんだぜ。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
番頭の利八郎は若い時放埒はうらつで、隣町の師匠に隱し子を拵へ、大分金を注ぎ込みましたが、嚴格な主人を憚つてツイそれを打明け兼ねてゐるうち、師匠は死んで娘のお道は孤兒こじになり
われ三等さんとう弟子でしあり。所謂いはゆる猛烈まうれつにして諸縁しよえん放下はうげし、專一せんいつ己事こじ究明きうめいするこれ上等じやうとうづく。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
村の附近に古寺こじあとあり、地下室にバプテスマのヨハネの墓、エリシヤの墓、オバデヤの墓など称するものあり。村人古銭など持ち来りてすゝむ。山上より西に地中海の寸碧すんぺきを見る。
年老いたる番僧の露西亜人ろしあびとに導かれて、古寺こじの廃跡いし累々るゐ/\たるを見つゝ、小石階せうせきかいを下りて、穹窿きゆうりゆうの建物いと小さく低きが中に入る。内に井あり、口径三尺ばかり、石を畳むでふちとす。
力に任せてギューと無闇にこじりましたから、馬は其の儘悲しい声をあげて息は絶えました。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いたずらに、我説がせつ固持こじして、論争の陣を張っていた酒井忠次も石川数正も、かれが憤然ふんぜんと席を蹴ったすがたに、眼をみはって
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
端的にいえば、彼女等は両親も知らぬ孤子こじ、又は金に売られた貧民の子供だったのだ。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「おい、阿母おっかあ。いつまでそんな廻りくどいことを言ってるんだ、聞いてても小憤こじれってえ。」と傍から一人がひき取って
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
神保町じんぼうちょうの停留場で我々は降りた。その辺の迷路にも似た小路こじを、あちこちと二三丁歩いて、ある建物の前に来た時に、彼は立止って突然いきなりその呼鈴ベルを押した。
真珠塔の秘密 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
菫色の薔薇ばらの花、こじけた小娘こむすめしとやかさが見える黄色きいろ薔薇ばらの花、おまへの眼はひとよりも大きい、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
胡蝶声あつて夜深く相思の吟をなす、聾者ろうしや能く聞き瞽者こしや能く見る、劒戟も折つてくらふべく鼎钁ていくわくも就いて浴すべし、世界はほと/\朕がまゝなり、黄身わうしんの匹夫、碧眼の胡児こじ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)