“怙恃”の読み方と例文
読み方割合
こじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寿を得ること六十四、法諡はふしして隆升軒興安信階居士と云つた。蘭軒は足掛二年の旅の間に、怙恃こじ併せ喪つたのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
家貧きが上に幼時怙恃こじを失い諸方に流浪し、山本緑陰の家に食客となること三年。上野寛永寺に入って独学し、文政年間始めて駒込に僦居しゅうきょくだして徒に授けた。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
風聞にれば総角そうかくの頃に早く怙恃こじうしない、寄辺渚よるべなぎさたななし小舟おぶねでは無く宿無小僧となり、彼処あすこ親戚しんせき此処ここ知己しるべと流れ渡ッている内、かつて侍奉公までした事が有るといいイヤ無いという
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)