“小舟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こぶね41.2%
をぶね26.5%
おぶね20.6%
サンパン2.9%
ボウテ1.5%
こふな1.5%
さばに1.5%
をふね1.5%
サコレーヴ1.5%
タンバガン1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、そのはこはしずまないで、小舟こぶねのように、ぷかぷかうかんでいきました。そして、なかには水一てきはいりませんでした。
此処の、「四極しはつ山うち越え見れば笠縫かさぬひの島榜ぎかくる棚無し小舟をぶね」(同・二七二)も佳作で、後年山部赤人に影響を与えたものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いまも遠きわたりよりることを忘れず、好みて姫が住める部屋の窓のもとに小舟おぶねつなぎて、夜も枯草のうちに眠れり
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
もつとも夜間に小舟サンパンを傭へない事も無いが、土人どじんの船頭には脅迫的な行為があつて危険だと忠告せられて断念した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
が帰って来るとその一団の人かげが、同じ沈黙と速度をもって小舟ボウテから桟橋へ上り、僕の立ってる前を順々に通り過ぎて、今度は町へ消えてしまう。
「お膝元には大舟も小舟こふなもねえ——」
今でも宮古島周辺の貝類採取地として年々多数の小舟さばにの集まっていたのは、北には沖縄本島への航路に接して、八重干瀬やえびしという広大な岩礁がんしょう地域があり
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ほのかにわれらが小舟をふねぞゆく。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
対岸、オオト・コムブの鬱蒼うっそうたるもみの林は、そのまま水に姿を映し、湖上の小舟サコレーヴは、いまやその林中に漕ぎいるのである。
漕ぎ出てゐる小舟タンバガンの楫の音がいやにはつきりと聞える靜けさだ。ぴちやぴちやと水の音は聞いてゐる者のこゝろの芯にまで吸ひこまれるやうに、たまらない人戀しさと、淋しさを誘つて來る。
ボルネオ ダイヤ (旧字旧仮名) / 林芙美子(著)