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小舟
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おぶね
ふりがな文庫
“
小舟
(
おぶね
)” の例文
いまも遠きわたりより
守
(
も
)
ることを忘れず、好みて姫が住める部屋の窓のもとに
小舟
(
おぶね
)
つなぎて、夜も枯草のうちに眠れり
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
傾く月の道見えて、明けぬ暮れぬとゆく道の、末はいつくと
遠江
(
とおとうみ
)
、浜名の橋の夕潮に、引く人もなき捨て
小舟
(
おぶね
)
。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ちょうど
寄辺
(
よるべ
)
なぎさの
捨
(
す
)
て
小舟
(
おぶね
)
とでも言いたい無気力なこころもちにつつまれる朝夕、栄三郎は何度となく万事を棄てて仏門へでも入りたく思ったのだが。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
かく思い定めたれども、渠の良心はけっしてこれを
可
(
ゆる
)
さざりき。渠の心は激動して、渠の身は波に
盪
(
ゆら
)
るる
小舟
(
おぶね
)
のごとく、安んじかねて行きつ、
還
(
もど
)
りつ、塀ぎわに
低徊
(
ていかい
)
せり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
荒浪の上に
揉
(
も
)
まるる
棚
(
たな
)
なし
小舟
(
おぶね
)
のあわや
傾覆
(
くつがえ
)
らん風情、さすが覚悟を極めたりしもまた今さらにおもわれて、一期の大事死生の
岐路
(
ちまた
)
と八万四千の身の毛よだたせ牙
咬
(
か
)
みしめて
眼
(
まなこ
)
を
睜
(
みは
)
り
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
風聞に
拠
(
よ
)
れば
総角
(
そうかく
)
の頃に早く
怙恃
(
こじ
)
を
喪
(
うしな
)
い、
寄辺渚
(
よるべなぎさ
)
の
棚
(
たな
)
なし
小舟
(
おぶね
)
では無く宿無小僧となり、
彼処
(
あすこ
)
の
親戚
(
しんせき
)
此処
(
ここ
)
の
知己
(
しるべ
)
と流れ渡ッている内、
曾
(
かつ
)
て侍奉公までした事が有るといいイヤ無いという
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
世の中はつねにもがもななぎさ漕ぐ
海人
(
あま
)
の
小舟
(
おぶね
)
の綱手かなしも
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
かぢもなき 銀の
小舟
(
おぶね
)
、ああ
秋の瞳
(新字旧仮名)
/
八木重吉
(著)
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
には
小舟
(
おぶね
)
が續いている。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
巨勢はぬぎたる
夏外套
(
なつがいとう
)
を少女に
被
(
き
)
せて
小舟
(
おぶね
)
に乗らせ、われは
櫂
(
かい
)
取りて
漕出
(
こぎい
)
でぬ。雨は歇みたれど、天なほ曇りたるに、暮色は早く岸のあなたに来ぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
蘆間
(
あしま
)
の
小舟
(
おぶね
)
の
纜
(
ともづな
)
を解きて、
老夫
(
おじ
)
はわれをかかえて乗せたり。一緒ならではと、しばしむずかりたれど、めまいのすればとて乗りたまわず、さらばとのたまうはしに
棹
(
さお
)
を立てぬ。船は出でつ。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
世の中はつねにもがもななぎさ
漕
(
こ
)
ぐ
海人
(
あま
)
の
小舟
(
おぶね
)
の
綱手
(
つなで
)
かなしも
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
こと葉かけたまはぬにて、おのれを嫌ひ玉ふと知り、はてはみづから避くるやうになりしが、いまも遠きわたりより
守
(
も
)
ることを忘れず、好みて姫が住める部屋の窓の下に
小舟
(
おぶね
)
繋
(
つな
)
ぎて
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
蘆間
(
あしま
)
の
小舟
(
おぶね
)
の
纜
(
ともづな
)
を解きて、
老夫
(
おじ
)
はわれをかかへて乗せたり。
一緒
(
いつしよ
)
ならではと、しばしむづかりたれど、めまひのすればとて乗りたまはず、さらばとのたまふはしに
棹
(
さお
)
を立てぬ。船は
出
(
い
)
でつ。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
舟
常用漢字
中学
部首:⾈
6画
“小舟”で始まる語句
小舟町