“盪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
36.4%
うご18.2%
あら9.1%
そゝ9.1%
とろ9.1%
9.1%
ゆら9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
岸をトンとすと、屋形船は軽く出た。おや、房州で生れたかと思うほど、玉野は思ったよりたくみさおをさす。大池はしずかである。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
第三の世界は燦として春の如くうごいてゐる。電燈がある。銀匙ぎんさじがある。歓声がある。笑語しょうごがある。泡立あはだ三鞭シャンパンさかづきがある。さうして凡てのうへかんむりとして美くしい女性がある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
生来この藻は流水や噴泉で不断あらわるる処に生えるがその胞子が偶然止水中に入ってくるしんだ余り一計を案じ魚に託生してその魚がおよぐとちょうど生活に必要ほどな振動を
聊か以て意をそゝぎ心を平らかにし、死生の域を同じうして、而して胸中に怵惕する無からんとす、然り而して或者は專ら以て務と爲す、則ち誕欺怪迂の文、彌〻以て益す多し
道教に就いて (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あわれ、わたしの心をとろかせよう
初夏(一九二二年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
乗り合いは再び地上のなみられて、浮沈のき目にいぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かく思い定めたれども、渠の良心はけっしてこれをゆるさざりき。渠の心は激動して、渠の身は波にゆらるる小舟おぶねのごとく、安んじかねて行きつ、もどりつ、塀ぎわに低徊ていかいせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)