“うご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
54.3%
20.9%
11.6%
羽後3.8%
3.1%
雨後2.0%
1.3%
動揺0.4%
海髪0.4%
0.4%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「たいへんにせいるな。」と、つきはいいました。馬追うまおいはびっくりして、二ほんながいまゆうごかして、こえのしたそらあおぎながら
酒屋のワン公 (新字新仮名) / 小川未明(著)
無気味な粘土細工は蝋人形ろうにんぎょうのように色彩まである。そして、時々、無感動にうごめいている。あれはもう脅迫などではなさそうだ。
鎮魂歌 (新字新仮名) / 原民喜(著)
「巨人は薊の中にたおれて、薊の中に残れるはこの盾なり」と読み終ってウィリアムが又壁の上の盾を見ると蛇の毛は又うごき始める。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
国の名で申しますと、陸奥むつ陸中りくちゅう陸前りくぜん羽後うご羽前うぜん磐城いわき岩代いわしろの七ヵ国となります。昔の「みちのく」即ち道の奥と呼んだ国のはてであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
我こそと己惚うぬぼれの鼻をうごめかして煩さく嬢様のもとへやつて来たのはういふ連中だ子。どれも之も及第しさうもない若殿原だ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
阿曽は氷の上にあおのけに倒れ、自分がここに残ったことをふしぎとも思わずに、月の出の雨後うごの空の色を、呆然とながめていた。
白雪姫 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
理も枉ぐべからず、智もうごかすべからず、天下の威武を擧げて是れに臨むも如何ともすべからざる也。
美的生活を論ず (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
了海は「おう」と、全身を震わせるような名状しがたき叫び声を上げたかと思うと、それにつづいて、狂したかと思われるような歓喜の泣笑が、洞窟をものすごく動揺うごめかしたのである。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それに比べると、ここにあるまぐろの刺身の新鮮なあかさはどうだ。そのさらに刺身のツマとして添えてあるのも、繊細をきわめたものばかりだ。細い緑色の海髪うご。小さな茎のままの紫蘇しその実。黄菊。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
弟は起き上りさま口惜さに力を籠めて橋をうごかせば兄は忽ち水に落ち、苦しみ踠いて洲に達せしが、此時弟ははや其橋を難なく渡り超えかくるを見るより兄も其橋の端を一揺り揺り動せば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
呼吸のはずみも殺気のうごきも、窺い寄っているらしい人の気配も何一つきこえなかった。
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
乗り合いは思わず手をちて、車もうごくばかりに喝采かっさいせり。奴は凱歌かちどきの喇叭を吹き鳴らして、おくれたる人力車をさしまねきつつ、踏み段の上に躍れり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この行事中余りに劇しく笞うたれて辛抱ならず、用事にかこつけ退き去るも構わねど、もし眼をうごかすなどすこしでも痛みに堪え得ぬしるしを見せると大いに嘲られ殊に婦女に卑しまると。
唐の張鷟ちょうさくの『朝野僉載ちょうやせんさい』に、嶺南の獠民、鼠の児目明かず、全身赤くうごめくものに、蜜を飼い、はしはさみ、取って咬むと喞々しつじつの声をなす、これを蜜喞みつしつといいて賞翫するとあり。
その風流人の風流心を曇らすところの現象が存在してうごいたことはたしかに事実で、その証拠には、彼等が関の藤川へ向って足早に歩み去るついそのあとに、やはり妙応寺の門側から
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
見る見る羅物うすものを染め、幔幕まんまくを染め、床をひたして、その中に倒れたマネキンの肉体は、最後の苦悶にうごめきます。
悪魔の顔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
難関あるべしとはしながら思いしよりもはげしき抵抗に出会いし母は、例の癇癖かんぺきのむらむらと胸先むなさきにこみあげて、額のあたり筋立ち、こめかみうごき、煙管持つ手のわなわなと震わるるを
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)