うご)” の例文
第三の世界は燦として春の如くうごいてゐる。電燈がある。銀匙ぎんさじがある。歓声がある。笑語しょうごがある。泡立あはだ三鞭シャンパンさかづきがある。さうして凡てのうへかんむりとして美くしい女性がある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
弟は起き上りさま口惜さに力を籠めて橋をうごかせば兄は忽ち水に落ち、苦しみ踠いて洲に達せしが、此時弟ははや其橋を難なく渡り超えかくるを見るより兄も其橋の端を一揺り揺り動せば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)