“ゆる”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ユル
語句割合
22.6%
21.0%
10.3%
8.9%
8.3%
4.7%
4.1%
4.0%
2.7%
2.6%
(他:139)10.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕が、この Ballad を歌うとお前は歌の緩急の度に合わせて、速くもゆるやかにも自由に脚竝みをそろえたではないか。
ゼーロン (新字新仮名) / 牧野信一(著)
どこの大名でも旗本でも下屋敷の方は取締りがずっとゆるやかで、下屋敷ではまあ何をしてもいゝと云うことになっていました。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その上、もう気がたるみ、すじゆるんで、歩行あるくのにきが来て、喜ばねばならぬ人家が近づいたのも
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同時に気がゆるんだらしくグッタリとなった品夫は、両頬を真赤に染めて羞恥はにかみながら、健策の胸にしなだれかかった。
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ワーニャ (エレーナの手にひしと接吻して)さようなら。……ゆるしてください。……二度とお目にかかる時はありますまい。
地位から云っても、性質から見ても、また彼に対する特別な関係から判断しても、夫人はけっして彼をゆるす人ではなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ゆるされし罪は消えぬべきも、歴々まざまざ挫傷すりきずのそのおもてに残れるを見れば、やましきに堪へぬ心は
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これを証真寺というは、疑獄の真偽をたださんため本人を池に投ずるに、その言真なれば鱷これをゆるし偽なれば必ず噉う。
ゆるしてくださるんですか。本当を言ったら、ぼくなんかあなたにおこられたら生きているかいもないんですからね」
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
かれはただ、がまなかて、沢地たくちみずむのをゆるされればたくさんだったのです。
進むの願ひいと深くして我等止まることをえず、このゆゑに我等の義務つとめもし無禮むらいとみえなばゆるせ 一一五—一一七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
又「また殴付はりつけやアがる、これ己が悪いからゆるせと云うに、おれが酔うたのだ、はっと云うはずみじゃア」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
汽車はときどき立ちどまって、水と燃料の薪を積みこみ、そうして思い出したようにまた遠い残光をさしてゆるぎ出すのだ。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
錨を抜いた港から、汽笛と共にゆるぎ出て、乗ツてる人の目指す港へ、船首へさきを向けて居る船にはちがひない。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
仏祖の行道ぎょうどうに違うにもせよ、この芸術を宗教的に礼拝した心には、豊かにしてゆるやかな美しい信仰が認められる。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「が、手巾ハンケチゆるく銃口を包んで撃てば、それは緩和出来ると思う、その手巾ハンケチさえ隠す時間があれば——」
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
無教育なる下等の暗黒社会なれば尚おゆるす可きなれども、いやしくも上流の貴女紳士に此奇怪談は唯驚く可きのみ。
新女大学 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
九月十八日、官、三人の罪を裁して曰く、「こころは国のためにすとうといえども、実に重禁を犯す、罪ゆるすべからず」と。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それをそうと信ぜさせられた時、その市井の女はいよいよいささか歪曲わいきょくをもゆるさぬ真相を示すのである。
逍遙子はこれを知りて、その競爭をして爼豆そとうの間にのみ行はれしめむとし、衆我の旗皷きこの間に相見えむとするをゆるさず。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
黒船町の金田屋には、石原の子分衆が三四人、家の者を見張つて、貧乏ゆるぎもさせずに平次を待つて居りました。
この神秘ともいい得るところの、ゆるぎなき教育の立場をもつことなしに、どんな方法を講じても、それは詰め込みにばかりなってしまいます。
おさなごを発見せよ (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
一日もはやく京都から遠隔の地へ持って行って、近江境おうみざかいを越えたらゆるりとしてもいいと云われていたのである。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さあ危険は過ぎましたじゃ、市之丞様もゆるりとなされ。わしはの、実際まことにあなた方が可愛く思われてならぬのでのう」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
是に於てか淑女等は輪のほとりに歸り、グリフォネはその羽の一をもゆるがさずしてたふとき荷をうごかし 二五—二七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
荒野あれのの吐息まじり、夕されば風そよ高木かうぼくゆるぎも加はるそのこゑよりも繁きは、
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
何故なにゆえというに、もし成善が母とともに往こうといったなら、藩は放ち遣ることをゆるさなかったであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
し人の一枝の草一把の上を持ちても像を助け造らんと情願する者あらばほしいままこれゆる
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
ボヘミヤの某所では、百姓が通常の鼠をゆるさず殺せど白鼠を見付くれば殺さず、窓に巣を作ってこれをう。
お浪は仔細ないと認められて一と先ずゆるされたが、お照は申し口に少し胡乱うろんかどがあるというので、これも番屋に止められた。
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして、世界をゆるがす愛の大波は、頭から足先まで彼女を抱きしめ、彼女を巻き込み、彼女を天までもち上げた……。
身體からだがびり/\とゆるぎながらあしめられるやうにうしろつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして二氏皆わたくしに借抄をゆるさうといふ好意があつて、藤井氏は家弟潤三郎に、三村氏は竹柏園主にこれを語つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
成善は家禄をいて、その五人扶持を東京に送致してもらうことを、当路の人に請うてゆるされた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼はこの暑い休暇中にも卒業後の自分に対するはかりごとゆるがせにはしなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして、収穫時が来ると、お初穂はつをどれも一箇ひとつずつ、妙法様と御先祖にお供えした後は、皆売り出すのだから、今からの手入れは決してゆるがせにはできない。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
と、言って青年をゆるして帰らした。問官は時の天子孝恵こうけい皇帝の皇后賈后かこうの親類の男であった。
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
本当にわたくしは何もかもあなたにゆるしてしまいましたの。
ロレ いや、かしこゆるうぢゃ。馳出かけだもの蹉躓けつまづくわい。
さうしてからげつそりとちた兩頬りやうほゝにくさらにぴつちりと齒齦はぐきすひついてしまふまでゆるりと煙草たばこうて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
二人の小娘はきぬはづして、白き汗衫はだぎゆるやかに身にまとひ、卓の下に跪きて讚美歌を歌へり。
筍の周囲の土は、あらかじめ掘り起して、ゆるめたのちにまたき寄せてあったそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
伯父の遺稿集の巻末につけた、おひげの伯父のばつによれば、死んだ伯父は「狷介けんかいニシテク罵リ、人ヲゆるあたハズ。人マタツテ之ヲ仮スコトナシ。大抵視テ以テ狂トナス。遂ニ自ラ号シテ斗南狂夫トイフ。」とある。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さはれ流石に思慮深き家康は、秀吉の如く閨門けいもんの裡に一家滅亡の種をかず、其が第一の禁物たる奢は女中にも厳にゆるさで、奥向にも倹素の風行はれしは、彼の本多佐渡守が秀忠将軍の乳母なる大婆に一言咎められて、返す詞も無かりし一場の話に徴して知るべし。
大久保湖州 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
度牒は人の家をいでて僧となるとき官のゆるして認むる牒にて、これ無ければ僧も暗き身たるなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かく思い定めたれども、渠の良心はけっしてこれをゆるさざりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一肌一容いつきいちよう、態ヲ尽シけんヲ極メ、ゆるク立チ遠ク視テ幸ヒヲ望ム。まみユルコトヲ得ザルモノ三十六年……
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
はなはゆるく動きて、その間に旁午ぼうごする玄鳥つばくらの声ほがらかに、幾度いくたびか返してはつひに往きける跡の垣穂かきほ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
源太胸には苦慮おもいあれども幾らかこれに慰められて、猪口ちょくりさまに二三杯、後一杯をゆるく飲んで、きさまれと与うれば、お吉一口、つけて、置き
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
源太胸には苦慮おもひあれども幾干いくらか此に慰められて、猪口把りさまに二三杯、後一杯をゆるく飲んで、きさまれと与ふれば、お吉一口、つけて、置き、焼きかけの海苔畳み折つて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
王問うてその鐘に血を塗るため殺されにくを知り、これをゆるせ、われその罪なくしておののきながら死地に就くに忍びずと言う。
下から火を放って台を焼けば、恐れて孔叔(悝)をゆるすに決っている。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
筆者は、その「風邪」なるものの意味がわからないので大いに泣いて駄々をねたらしく、間もなく許可ゆるされて跣足はだしで庭に降りると、雨垂れおちの水を足でたたえたりひきを蹴飛ばしたりして大いに喜んだ。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
知らしては許可ゆるしませんから、こっそり知人しりびとに相談しておりますと、伯父の家へ出入する菊次と云う者が、幸い長崎の丸山から女を抱えに来ておる者がある、其の者に逢わしてやろうと申しますから、私は誠とおもいまして、今日の夕方、そっと家を出て、其の男と謀し合してあった場所へ往って見ますと
魔王物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しか大抵たいてい家々いへ/\ではにはとりでさへいへうちではるのを許容ゆるさないので
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それでもおつぎはなが時間じかんをさうしてむなしくつひやすことは許容ゆるされなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかしこうして吾国は海禁甚だ厳しく、外国の人の内地に入ると、内地人の外国に到ると、みなゆるさざるの典あり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
 去臘大晦、朝議すでに幕府にゆるす。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
國沴こくてんおほいわらつて、馬鹿ばかめ、おどかしたまでだと。これをゆるし、還俗げんぞくせしめて、柳含春りうがんしゆんはいせりとふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れどもこのたびはゆるすべし。