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容
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ゆる
ふりがな文庫
“
容
(
ゆる
)” の例文
わが政治上の世界は広大無辺なりといえどもいまだかかる一種の奇怪なる妄想説の実行を
容
(
ゆる
)
さざるなり。さらにまた一種の論者あり。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
勤王に
之
(
ゆ
)
かんか、佐幕に之かんか。時代はその中間において
鼠
(
ねずみ
)
いろの生を
偸
(
ぬす
)
むことを
容
(
ゆる
)
さなかった。抽斎はいかにこれに処したか。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
容
(
ゆる
)
し容される」気持にさせる友情、等々、数へ上げればいくらもあるだらうが、最も奇怪にして、しかも、甚だその例に乏しくないのは
異性間の友情と恋愛
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
してみると、
此家
(
ここ
)
の軒下にべんべんと
止
(
とど
)
まっているということはあまりに図々しく、
且
(
か
)
つ
容
(
ゆる
)
しがたいことなのだ。直ちに決心をしなければならぬ。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
私はうちつけに書きます。万事直截其ものでお出のあなたは、私が
心底
(
しんそこ
)
から申すことを
容
(
ゆる
)
して下さるだろうと思います。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
それが境遇に応じて魂ともなれば根性ともなるのさ。で、商人根性といへども決して不義不徳を
容
(
ゆる
)
さんことは、武士の魂と
敢
(
あへ
)
て異るところは無い。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何時
(
いつ
)
まで汝我を
容
(
ゆる
)
したまわざるや。息をする間だに与えたまわざるや。我罪を犯したるか。我汝に何をなしたるか、おお人を
護
(
まも
)
らせたまう者よ。……
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
極地の理知に立つといふのは、要するに己れの悪を自らも
容
(
ゆる
)
し、人にも容さしめるための、狡猾きはまる技術だけにすぎないのだと感じたのだつた。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
彼はまったく単一であって、何らの異論も制限も
容
(
ゆる
)
さないのだった。もとより彼にとっては、宗教上の権威はすべての権威の第一なるものであった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼等の忠や義や、到底道學先生の窺知を
容
(
ゆる
)
さざるものある也。喩へば鳥の鳴くが如く、水の流るるが如けむ、心なくしておのづから其の美を
濟
(
な
)
せる也。
美的生活を論ず
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
泉下
(
せんか
)
の父よ、幸に我を
容
(
ゆる
)
せと、地に伏して瞑目合掌すること多時、
頭
(
かしら
)
をあぐれば
一縷
(
いちる
)
の線香は消えて灰となりぬ。
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
すなわち、個性の多様性は認めつつ、その後ろに人間としての普遍的真理の存在を
容
(
ゆる
)
したい。この信仰なくしては、私たちは相互に繋り合うことはできない。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
虁龍
(
きりゅう
)
高位に在りは建文帝をいう。山霊蔵するを
容
(
ゆる
)
さず以下数句、
燕王
(
えんおう
)
に
召出
(
めしいだ
)
されしをいう。神龍氷湫より起るの句は、燕王
崛起
(
くっき
)
の事をいう。
道
(
い
)
い得て
佳
(
か
)
なり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
歌あれば爰に舞足あり、手振あり、それに連れて種々に、態々の面倒なる注文あり。一の部分は全躰たるを
容
(
ゆる
)
さず、全躰は一部分によりて表現せらるゝを得ず。
劇詩の前途如何
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
エホバは汝の足の動かさるるを
容
(
ゆる
)
し給わず、汝を護る者は
微睡
(
まどろ
)
み給うことなし。(詩編一二一の四)
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
瞬
(
まばたき
)
を
容
(
ゆる
)
さぬとっさの光を受けたその模様には長さの感じがあった。これは大きな
鰻
(
うなぎ
)
だなと思った。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
予はインノセンスと呼ばれて、君の
知
(
しろ
)
しめすが如く、何もえしらぬ。而して予が法王の聖職に在ることを
容
(
ゆる
)
し給へ、聖職は始より既に制定せられ、予は唯に之に従ふのみ。
法王の祈祷
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
思へば
奇
(
くす
)
しき成行であつた。彼は今、天人共に
容
(
ゆる
)
さざるる、罪の犯人として遠く東京へ送られるのである。やがては死刑を宣告されて、絞首台の露ともなることであらう。
逆徒
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
この山の聖なる
律法
(
おきて
)
はすべて秩序なきことまたはその習ひにあらざることを
容
(
ゆる
)
さず 四〇—四二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
侍奉紳士は婦の早起
盥漱
(
かんそう
)
する時より、深更寢に就く時に至るまで、其身邊に在りて奉侍す。他婦を顧みることを
容
(
ゆる
)
さず、聞く侍奉紳士中
媱褻
(
いんせつ
)
に及ばざるもの往々にして有り。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
エホバはなんじの足のうごかさるるを
容
(
ゆる
)
したまはず、汝を
護
(
まも
)
るものは、
微睡
(
まどろ
)
みたまふことなし、
視
(
み
)
よ、イスラエルを守りたまふものは、微睡むこともなくねぶることもなからん。
雨の玉川心中:01 太宰治との愛と死のノート
(新字新仮名)
/
山崎富栄
(著)
諸君も屍に
鞭
(
むちう
)
たないという寛大の心を以て、すべての私の過去を
容
(
ゆる
)
してもらいたい。
或教授の退職の辞
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
それをそうと信ぜさせられた時、その市井の女はいよいよ
些
(
いささか
)
の
歪曲
(
わいきょく
)
をも
容
(
ゆる
)
さぬ真相を示すのである。世間も、彼の母も、その母の地位も、すべて残る
隈
(
くま
)
なく、彼の心眼に映って来る。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
ああ学識なくして、
徒
(
いたずら
)
に感情にのみ支配せられし当時の思想の誤れりしことよ。されどその頃の妾は
憂世
(
ゆうせい
)
愛国の
女志士
(
じょしし
)
として、人も
容
(
ゆる
)
されき、妾も許しき。
姑
(
しば
)
らく女志士として語らしめよ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
元來世に在らざる物又は君
在
(
いま
)
さぬ
爲
(
ため
)
に生じたる空虚に存在を
容
(
ゆる
)
したまはず。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
彼は、自分の
容
(
ゆる
)
しを瑠璃子に乞うた上、二人の愛児の行末を、瑠璃子に頼んでゐる。彼は名ばかりの妻から、夫として堪へがたき反抗を受けながら、尚彼女に美しき信頼を置かうとしてゐる。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
「アッタスン、」とさっきの声が言った、「後生だから、
容
(
ゆる
)
してくれ!」
ジーキル博士とハイド氏の怪事件
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
止めし
中
(
うち
)
追々長庵が惡事數ヶ條
綻
(
ほころ
)
びけるは天の
容
(
ゆる
)
さざる所と云ふべきのみ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
或る作品を
容
(
ゆる
)
したり、罰したり、戒めたり、指導したりしたのである。
文学方法論
(新字旧仮名)
/
平林初之輔
(著)
大隈
容
(
ゆる
)
さず。二十六日、大隈参内して、犬養毅を推挙。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
逍遙子はこれを知りて、その競爭をして
爼豆
(
そとう
)
の間にのみ行はれしめむとし、衆我の
旗皷
(
きこ
)
の間に相見えむとするを
容
(
ゆる
)
さず。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
生存は
相殺
(
そうさつ
)
である。自然は
偏倚
(
へんい
)
を
容
(
ゆる
)
さぬ。
愛憎
(
あいぞう
)
は我等が宇宙に
縋
(
すが
)
る二本の手である。好悪は人生を歩む左右の脚である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
さもあらば、必ず思知る時有らんと言ひしその人の、
争
(
いか
)
で争で吾が罪を
容
(
ゆる
)
すべき。
吁
(
ああ
)
、吾が罪は
終
(
つひ
)
に
容
(
ゆる
)
されず、吾が恋人は終に再び見る能はざるか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかし、国民の批判や審判を拒否する政党というものの存在を
容
(
ゆる
)
したら、もうオシマイだ。
安吾巷談:03 野坂中尉と中西伍長
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
されば三十一年の秋、周王
橚
(
しゅく
)
の
執
(
とら
)
えらるゝを見て、燕王は遂に
壮士
(
そうし
)
を
簡
(
えら
)
みて護衛となし、極めて警戒を厳にしたり。されども斉泰黄子澄に在りては、もとより燕王を
容
(
ゆる
)
す能わず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
嗟吁
(
あゝ
)
人生の短期なる、
昨日
(
きのふ
)
の紅顔
今日
(
けふ
)
の白頭。忙々促々として眼前の事に営々たるもの、
悠々
(
いう/\
)
綽々
(
しやく/\
)
として千載の事を
慮
(
はか
)
るもの、同じく之れ大暮の
同寝
(
どうしん
)
。霜は香菊を
厭
(
いと
)
はず、風は幽蘭を
容
(
ゆる
)
さず。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
国外の警報は、直ちに対外の思想を誘起し、対外の思想は、直ちに国民的精神を発揮し、国民的精神は、直ちに国民的統一を
鼓吹
(
こすい
)
す。国民的統一と、封建割拠とは、決して両立するを
容
(
ゆる
)
さず。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼は、自分の
容
(
ゆる
)
しを瑠璃子に
乞
(
こ
)
うた上、二人の愛児の行末を、瑠璃子に頼んでいる。彼は名ばかりの妻から、夫として
堪
(
た
)
えがたき反抗を受けながら、
尚
(
なお
)
彼女に美しき信頼を置こうとしている。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
否々、我は
明日
(
あす
)
此地を立たんとす。ベルナルドオ。そは
何處
(
いづく
)
へ往くにか。われ。ヱネチアに往くなり。ベルナルドオ。汝が漫遊の日程は、よも變更を
容
(
ゆる
)
さぬにはあらざるべし。
枉
(
ま
)
げて我言に從はずや。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
宮は
何時
(
いつ
)
までここに在らん、我は例の
孤
(
ひとり
)
なり。思ふに、彼の悔いたるとは誠ならん、我の死を
以
(
も
)
て
容
(
ゆる
)
さざるも誠なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
就中
(
なかんずく
)
性欲に関する動作は、若し
刹那
(
せつな
)
に動いて、偶然提供せられた受用を
容
(
ゆる
)
すか
斥
(
しりぞ
)
けるかと云うだけが、問題になっているのなら、それは
恕
(
じょ
)
すべきである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
山霊
蔵
(
かく
)
るゝことを
容
(
ゆる
)
さず
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“容”の意味
《名詞》
(ヨウ) かたち。すがた。
(出典:Wiktionary)
容
常用漢字
小5
部首:⼧
10画
“容”を含む語句
容貌
容易
形容
容姿
容色
顔容
容子
寛容
容體
容態
容器
顏容
姿容
内容
容儀
面容
容体
許容
容顏
貌容
...