“寛容”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんよう23.1%
くわんよう23.1%
くつろ15.4%
おおよう7.7%
おほやう7.7%
くつろい7.7%
くつろげ7.7%
ゆったり7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
博雄は、友人の間に寛容かんようであるらしい。そして子供らしい親切さと、忠実ちゅうじつさをもって交際するとのうわさであり、友人たちからこれを容認されている。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
竹村たけむらはその温順おとなしさと寛容くわんようなのに面喰めんくらはされてしまつた。彼女かのぢよやはらかで洗煉せんれんされた調子てうしから受取うけとられる感情かんじやうると、しかしかんがかたが、きはめて自然しぜんえるのであつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
そうこうしている内に、上がって来るものがようやく絶えたから、自分はようやく寛容くつろいだ思いをして、囲炉裏いろりの炭の赤くなったのを見詰めて、いろいろ考え出した。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
然も紙屑屋かみくずやとさもしき議論致されては意気な声もききたくなく、印付しるしつき花合はなあわまけても平気なるには寛容おおようなる御心おこころかえって迷惑、どうして此様このようめす配偶つれあいにしたかと後悔するが天下半分の大切おおぎり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
狸のそこなひは面白いね。僕も時々自分をさうか知らと思ふ事があるよ。だが、世間は寛容おほやうなもので、その化け損ひの僕の画を
男はやっと寛容くつろいだ姿で、呼ばれた方へ視線を向ける。呼ばれた当人は俯向うつむいている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容くつろげて、つかの命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命がくだる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いかにも伸々のびのび寛容ゆったりして、串戯じょうだんの一つも言えそうな、何の隔てもない様子だったが、私は何だか、悪い処へ来合せでもしたように、急込せきこんで
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)