寛容くつろ)” の例文
そうこうしている内に、上がって来るものがようやく絶えたから、自分はようやく寛容くつろいだ思いをして、囲炉裏いろりの炭の赤くなったのを見詰めて、いろいろ考え出した。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こうすれば雑誌の編輯者とか購買者とかにはまるで影響を及ぼさずに、ただ雑誌を飾る作家だけが寛容くつろぐ利益のある事だから、一雑誌に載る小説の数がむやみにえる気遣きづかいはない。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)