“くつろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クツロ
語句割合
98.5%
寛容1.0%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と云いながらそばへ寄って、源三の衣領えりくつろげて奇麗きれいな指で触ってみると、源三はくすぐったいと云ったように頸をすくめてさえぎりながら
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こうすれば雑誌の編輯者とか購買者とかにはまるで影響を及ぼさずに、ただ雑誌を飾る作家だけが寛容くつろぐ利益のある事だから、一雑誌に載る小説の数がむやみにえる気遣きづかいはない。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
目も隠れるほど深く俯向うつむいたが、口笛を吹くでもなく、右の指の節を唇に当て、素肌に着た絹セルの単衣ひとえ衣紋えもんくつろげ——弥蔵やぞうという奴——内懐に落した手に、何か持って一心にみつめながら
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
垢抜あかぬけして色の浅黒いのが、しぼりの浴衣の、のりの落ちた、しっとりと露に湿ったのを懊悩うるさげにまとって、衣紋えもんくつろげ、左の手を二の腕の見ゆるまで蓮葉はすはまくったのを膝に置いて、それもこの売物の広告か
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)