“ゆるやか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
42.9%
28.6%
7.1%
7.1%
7.1%
緩舒7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのこびある目のほとりやうやく花桜の色に染みて、心楽しげにやや身をゆるやかに取成したる風情ふぜいは、にほひなどこぼれぬべく、熱しとて紺の絹精縷きぬセル被風ひふを脱げば、羽織は無くて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
目は地上にそゝがるゝことしばらくなりき、アヌンチヤタは忽ち右手めてを擧げて、ゆるやかにそのぬかを撫でたり。
真夏の太陽に照らされながらも、山上の空気はなごやかに、彼氏と、彼女と、彼の三人を包んだ。野性と、モダニズムと。食慾と、恋愛と。一切は融け合ってしまった。ゆるやかに朗らかな風景である。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)
風はやわらかに吹いてゐた。五月さつきの空は少し濁ツて、眞ツ白な雲は、時々宛然さながら大きな鳥のやうにゆるやかに飛んで行く。日光は薄らいだり輝いたり、都ての陰影いんえいは絶えず變化する。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ホワイト襯衣しゃつに、しまあらゆるやか筒服ずぼん、上靴を穿いたが、ビイルをあおったらしい。充血した顔の、額に顱割はちわれのある、ひげの薄い人物で、ギラリと輝く黄金縁きんぶちの目金越に、看護婦等をめ着けながら
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貫一はをののくちびる咬緊くひしめつつ、ことさ緩舒ゆるやかいだせる声音こわねは、あやしくも常に変れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)