“悠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆっ42.5%
ゆる17.9%
15.1%
ゆっく8.5%
ゆう5.7%
ゆつ4.7%
ゆつく0.9%
のび0.9%
ゆった0.9%
ゆるや0.9%
ゆるやか0.9%
ユウ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今、今話すがね。まァ、ゆっくりと寛いだ方がいいじゃないですか。さ、もっとこっちへいらっしゃい。温かいところへ……」
罠を跳び越える女 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
(私はただ今、大事なお研物とぎものを仕かけておりますので、しばらく母と話していて下さい。仕事をすませば、いくらでもゆるりと話しますから)
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は程よく燃えているストーヴに暖められながら、いつの間にか氷雨が降っている硝子の外の景色を眺めながらっくりフォークを動かしていた。
褐色の求道 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ゆっくりした歩きぶりで、印いりの傘をさして、……彼だということはすぐにわかった。おなつは息をつめ、自分の前を通ってゆく彼の姿をじっと見まもった。
契りきぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一時間のうちにゆうに二番ぐらいは始末ができるくらいだから、見ていても局にむかっていても、間怠まだるい思いはけっしてないのです。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
兄は、用事があるので、今日はゆつくりしてゐないでぐ帰宅するのだと告げた。帰る途中の円通寺といふ寺まで実枝も同道するのだと云つた。
曠日 (新字旧仮名) / 佐佐木茂索(著)
「勝をうる者はこれ等の物を得てそのわざとなさん、我かれの神となり彼わが子と爲るべし。されど、」これがゆつくりと、明瞭に讀まれた
のびやかに、ほがらかに、あんら、ゆるやかに
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
死ぬにはゆったりと支度もできましょう。御僧にはく立ち帰られて、宗治異存なき旨を、両軍へおつたえありたい。わけて長々微身びしん
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆるやかにれとび去りぬ。
しやうりの歌 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
風はやわらかに吹いてゐた。五月さつきの空は少し濁ツて、眞ツ白な雲は、時々宛然さながら大きな鳥のやうにゆるやかに飛んで行く。日光は薄らいだり輝いたり、都ての陰影いんえいは絶えず變化する。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
沮授は、黙然と外へ出て、「——ユウタル黄河、吾レソレヲ渡ラン」と、長嘆していた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)