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ふりがな文庫
“
悠
(
ゆる
)” の例文
(私はただ今、大事なお
研物
(
とぎもの
)
を仕かけておりますので、しばらく母と話していて下さい。仕事をすませば、いくらでも
悠
(
ゆる
)
りと話しますから)
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さあ危険は過ぎましたじゃ、市之丞様も
悠
(
ゆる
)
りとなされ。
私
(
わし
)
はの、
実際
(
まこと
)
にあなた方が可愛く思われてならぬのでのう」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ああ、もし」と誰かが手をあげた、「失礼ながら、そこのところをもちっと、ご
悠
(
ゆる
)
りとお聞かせ下さらぬか」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
ボオイの獨逸人が物柔かな佛人に代つて初めて私は
悠
(
ゆる
)
やかな氣分になつた。茶とパンを室へ運ばして食べた。
巴里まで
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ボオイの
独逸
(
ドイツ
)
人が物柔かな仏人に代つて初めて私は
悠
(
ゆる
)
やかな気分になつた。茶とパンを室へ運ばして食べた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
Lをさかさにしたような
悠
(
ゆる
)
やかな坂をみのえはのぼった。坂の上は草原で、左手に雑木林があった。その奥に池があった。池は凄く、みのえ一人で近よれない。
未開な風景
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
足拍子
悠
(
ゆる
)
やかに、花模様の振袖を翻しながら、そろり/\と宴席の中央に繰り込んで来るのであつた。
夜の奇蹟
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
せっかくお招きはしたものの
悠
(
ゆる
)
りと御一泊が願えないことである、じつは妹が二人それぞれ子供連れで遊びに来ている上に、弟どもや近隣の地主連までが泊り込んでいるので
接吻
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私の鐵の
帷子
(
かたびら
)
が、私を捲き締める。説服が、
悠
(
ゆる
)
やかに確かな歩みで進んで來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
然し、僕の身体に巣食っていた疑惑の病菌は、僕の意志の
如何
(
いかん
)
に係らず、
悠
(
ゆる
)
りと、然し確実に僕の全身に拡がりつゝあったのだ。そうして、それが一年ほど以前に、俄然爆発したのだった。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
致さぬ前に思うほどのた打つものでもござりませぬ。……まずまず、左様に思し召して、おこころ
悠
(
ゆる
)
やかに遊ばしますように
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“The Sweet Chanty”の一節で最も豊かな
悠
(
ゆる
)
やかな声量を要する個所で
円卓子での話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
太い曲つた
煙管
(
きせる
)
を左の手に持ち、少し耳が遠いらしく、顔を前に出して物を言つたり聞いたりせられる度に、右の
頬
(
ほ
)
に垂れた眼鏡の紐が
悠
(
ゆる
)
やかに揺れた。翁は
終始
(
しゆし
)
偉大な
微笑
(
ほゝゑみ
)
を
以
(
もつ
)
て語られた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
一日もはやく京都から遠隔の地へ持って行って、
近江境
(
おうみざかい
)
を越えたら
悠
(
ゆる
)
りとしてもいいと云われていたのである。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は重々しい韻律を含めて、
悠
(
ゆる
)
やかに両腕を拡げながら不思議な声色で唸り出した。
歌へる日まで
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「おことばですから、ずっとお近くへ行って、ご
悠
(
ゆる
)
りと、お物語りなされませ。——実平は、次に退がっておりますゆえ、ご用の時は、お呼びくださいますよう」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
旅といっても、飾磨から佐用
郷
(
ごう
)
の三日月村までのこと。女の足でも一夜泊りで
悠
(
ゆる
)
りと着けよう。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まだ、画を描いていらっしゃるのだ。……よいのかなあ、あんなにご
悠
(
ゆる
)
りしていて」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、暇どった。又左、来春陽気が好うなったなら、また
上洛
(
のぼ
)
られい。
悠
(
ゆる
)
りとな」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こよいは、
悠
(
ゆる
)
りと、語り明かしてもよいが、何せい陣中、いずれ鎌倉へ帰ってから、落着いて話すとしよう。——そちも定めし疲れておろう。こよいは旅の
垢
(
あか
)
でもそそいで
寝
(
やす
)
んだがよかろう」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ううむ、小寺殿より此方へご意見か。かたじけないが、摂津守がこのたびの発意には、さてまた口には語りきれぬ
仔細
(
しさい
)
もあること。……官兵衛、まず
寛
(
くつろ
)
いで、
悠
(
ゆる
)
りと話そう。どうだな、あちらへ移らぬか」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悠
(
ゆる
)
やかに観るわけには断じて相成りませぬ
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあ、
悠
(
ゆる
)
りと……」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悠
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
“悠”を含む語句
悠然
悠々
悠揚
悠暢
悠長
御悠
悠悠
悠遠
悠久
悠々自適
大悠
悠閑
悠紀
悠乎
悠々閑々
悠容
悠遊
悠吉
悠々寛々
悠紀殿
...