“ゆっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
51.7%
40.2%
3.4%
2.3%
1.1%
1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
林の脇には葉の白茶けた竹籔たけやぶがあり、その向うの畑で、一人の百姓が黙って、疲れたような動作で、ゆっくりと畑の土を返しているのが見えた。
おれの女房 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
男も一息に、しかし幾らかゆっくり加減にり、不味まずそうに手の甲でくちを拭いて、何か考え事でもするように、洋酒コップの底をいじくりながら
私は今にもへんがありそうな病室を退しりぞいてまた先生の手紙を読もうとした。しかし私はすこしもゆっくりした気分になれなかった。机の前に坐るやいなや、また兄から大きな声で呼ばれそうでならなかった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「その海狼ふたりにお前さんは巻きこまれただ、それで生命いのちのあったのは不思議と云う外はねえ、まあゆっくり養生なさるがいだ」老漁師の話を聞いて龍介は今更ながら、海狼ふたりの恐ろしさに身をふるわせた。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
先ず考え可し、此通り幾曲りもゆって居るのは縮れッ毛だぜ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
あの親父が此の間ひげを剃りましたよ白髪交りの胡麻塩頭をゆって新しい半纏を引掛ひっかけて坐って居ますが大きに様子がくなって病人らしく無く成ったが、ねえさんも襦袢に新しい襟を掛けたぜ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)