“五月”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さつき55.3%
ごぐわつ15.3%
いつつき15.3%
いつゝき4.7%
ごがつ3.5%
サツキ3.5%
ごげつ1.2%
メイ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さわやかな五月さつきの流が、あおい野を走るように、瑠璃子は雄弁だった。黙って聴いていた勝平の顔は、いかり嫉妬しっとのために、黒ずんで見えた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
おもはず慄立よだてたのは、さく十四年じふよねん五月ごぐわつ二十三日にじふさんにち十一時じふいちじ十分じつぷん城崎きのさき豐岡とよをか大地震おほぢしん大火たいくわ號外がうぐわいると同時どうじであつた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
四十歳の彼等の母親は、それをまあどんな心持で眺めているのであろう。しかも彼女の腹には、もう又、五月いつつきの子が宿っているのだ。
毒草 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
五月いつゝきになるお照の身重の腹を、重二郎に持って居ります扇でそっと突かれた時は、はッとお照は有難涙ありがたなみだに思わず声が出て泣伏しました。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから、かや、まき、とべらなど常緑樹じようりよくじゆ發芽はつが最後さいご五月ごがつ上旬頃じようじゆんごろには、すべての樹木じゆもくはるつけををはつて、ついでなつ生活せいかつそなへをします。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
五月サツキの邪気を祓うた薬玉クスダマは、万葉びとさへ既に、続命縷シヨクメイルとしての用途の外に、装飾といふ考へも混へてゐたのであるが、此飾り物も或は単に古渡コワタりの舶来品といふばかりでなく
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
麦秋むぎあきである。「富士一つうづみ残して青葉あをばかな」其青葉の青闇あおぐらい間々を、れた麦が一面日のの様に明るくする。陽暦六月は「農攻のうこう五月ごげつ急於弦げんよりもきゅうなり
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
十八世紀の中頃までは、毎年五月メイにここにお祭フェアがあって、この名もそこから来ているのだという。なるほどメイフェアの家は一つひとつが古いエッチングのように重くびている。