“粗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あら79.9%
4.9%
まば4.2%
ほぼ2.1%
ほゞ2.1%
1.4%
ざつ1.4%
まづ0.7%
ざっ0.7%
はした0.7%
ひど0.7%
わる0.7%
ラフ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
茶店の床几しょうぎ鼠色ねず羽二重はぶたえ襦袢じゅばんえりをしたあら久留米絣くるめがすりの美少年の姿が、ちらりと動く。今日は彼は茶店の卓で酒をんでいるのだ。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
我はラートナのむすめがかの影(さきに我をして彼にあり密ありと思はしめたる原因もとなりし)なくて燃ゆるを見たり 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
まばらな歯を一パイに剥き出してニタニタと笑っている……という場面で、見ているうちにだんだんと真に迫って来る薄気味の悪い画面であった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
日蓮世間の体を見て、ほぼ一切経を勘ふるに、道理文証之を得了んぬ。終に止むなく勘文一通を造りなして、其の名を立正安国論と号す。
おゝ! 君達きみたちにもほゞ想像さうざう出来できるか、おうらさらはれた、天狗てんぐつかんだ、……おそらくうだらう。……が、わたしこれ地祇神とちのかみ所業しよげふおもふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは河原町の人などには見られぬ線のらさとどぎつさこそあつたが、想像したよりもはるかに老人だつた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
ざつみづけて、ぐいとしぼつて、醤油しやうゆ掻𢌞かきまはせばぐにべられる。……わたしたち小學校せうがくかうかよ時分じぶんに、辨當べんたうさいが、よくこれだつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
マーキュ なんぢゃ、いっまづいのをば甘美うまい? はて、うま意味いみりやうぢゃの。賢女けんぢょ々々。
糸七は雨のなかで、——柳橋をざっと話したのである。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今は「風吹くな、なあ吹くな」と優き声のなだむる者無きより、いかりをも増したるやうに飾竹かざりだけ吹靡ふきなびけつつ、からびたる葉をはしたなげに鳴して、えては走行はしりゆき、狂ひては引返し
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ひどいんですよ。)
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白麻地や絽や手編みレースやモスリンレースなどのやうな贅沢な織物から、もつと丈夫なわるい袋布のやうなものまで、皆な此の麻で造るのだ。棉の木からは木綿で出来た織物が取れる。
彼は、そうして伐り倒した木の枝を払い、一本ずつやっとの思いで、泉の畔に引いてくる。彼は、そのラフな丸太を地面に立て、柱とした。小太刀や鉞で穴を掘ることは、かなり骨が折れた。
俊寛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)