)” の例文
我はラートナのむすめがかの影(さきに我をして彼にあり密ありと思はしめたる原因もとなりし)なくて燃ゆるを見たり 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
説き伏せ、を捨て、良を選び、必ず将来、あなたの楯となるような精兵三千をあつめて帰ります。——そしてあなたに忠誠を誓わせてご覧にいれますが
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藤田は佐久間に比すれば芸術なり、横井に比すれば眼界小なり、しかれども国家経綸の大綱を提げ、社会動乱の趨勢すうせいを握るの辣快らっかい雄敏なるにおいては、おのずから独歩の地なくんばあらず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
再びまた新衣を造り與へんとするに至るべきも、聊かなりとも悦ばしからず感ずるに於ては、再び新衣を造り與へんとするに際しても、或は時遲く、或は物なるに至るべき勢が幾分かある。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
袖裏しうり青蛇せいだ胆気たんきなり。
杜子春 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そういう沢庵は、昔ながらの、まつな僧衣で、決して金襴きんらんも、珠も、飾ってはいないが、どこか以前の彼とは、風貌もちがっているし、ことばのかどもまろくなっている。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
好漢惜しむらくは性情せいじょうであり短慮であった。まだまだ彼の勇は蜀のために用うる日は多かったのに、桃園の花燃ゆる日から始まって、ここにその人生を終った。年五十五であったという。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)