“瑕疵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かし60.0%
きず40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
抽斎は人の寸長すんちょうをも見逭みのがさずに、これに保護ほうごを加えて、ほとんどその瑕疵かしを忘れたるが如くであった。年来森枳園きえん扶掖ふえきしているのもこれがためである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
モリエルが無智の老嫗らううに自作の台本を読み聞かせたと云ふは、何も老嫗らううの批評を正しとしたのではない。唯自ら朗読するあひだに、自ら台本の瑕疵かしを見出すが為である。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何かしら瑕疵きずを見付けて、其で自分の見識を示した上で、しかし、まあ、可なりの作だと云う。ほめる時には屹度きっと然う云う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ただ歩くだけなら名誉になろうとも瑕疵きずとは云わせぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)