“老嫗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ろうおう22.2%
おうな11.1%
としより11.1%
ばあ11.1%
ばあさん11.1%
らうう11.1%
らうをう11.1%
ろうう11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老嫗ろうおう一口噺ひとくちばなしが一生涯のもといかためたり、おのれながらなんでそんなつまらぬことが、こんなに自分を刺激したろうと驚くことがままある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
寝覚ねざめ老嫗おうな後の世の
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おまえの髪としっかり結びあわ喼喼きゅうきゅう如律令にょりつりょうとなえて谷川に流しすてるがよいとの事、憎や老嫗としよりの癖に我をなぶらるゝとはしりながら、貴君あなた御足おんあし止度とめたさ故に良事よいことおしられしようおぼえ馬鹿気ばかげたるまじない
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
戸板の上に穀物の種子たねをならべて賣つてゐる老嫗ばあさんをみてきた
そこには白髪の老嫗ばあさんが立っていた。老嫗は穏やかなゆとりのあることばで言った。
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
モリエルが無智の老嫗らううに自作の台本を読み聞かせたと云ふは、何も老嫗らううの批評を正しとしたのではない。唯自ら朗読するあひだに、自ら台本の瑕疵かしを見出すが為である。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
幕府砲臺はうだいを神奈川にきづき、外人の來り觀るを許さず、木戸公役徒えきとに雜り、自らふごになうて之を觀る。茶店の老嫗らうをうあり、公の常人に非ざるを知り、善く之を遇す。公志を得るに及んで、厚く之に報ゆ。
逡巡しゅんじゅんとして曇り勝ちなる春の空を、もどかしとばかりに吹き払う山嵐の、思い切りよく通り抜けた前山ぜんざん一角いっかくは、未練もなく晴れ尽して、老嫗ろううの指さすかた巑岏さんがん
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)