“巑岏”の読み方と例文
読み方割合
さんがん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのくらいに周囲はどす黒かった。漢語には崔嵬さいかいとか巑岏さんがんとか云って、こう云う山を形容する言葉がたくさんあるが、日本には一つも見当らない。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
森林の空には高い山々が、中腹に懸ったもやの上に、巑岏さんがんたるはださらしていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
逡巡しゅんじゅんとして曇り勝ちなる春の空を、もどかしとばかりに吹き払う山嵐の、思い切りよく通り抜けた前山ぜんざん一角いっかくは、未練もなく晴れ尽して、老嫗ろううの指さすかた巑岏さんがん
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)