“としより”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トシヨリ
語句割合
老人52.6%
年寄11.8%
老年6.9%
老婆5.4%
年老3.6%
老女3.6%
老母3.3%
俊頼2.1%
祖母1.5%
老婦1.2%
老寄1.2%
老爺0.9%
0.6%
0.6%
老父0.6%
年長者0.6%
老者0.6%
長老0.6%
年者0.3%
成年者0.3%
老嫗0.3%
老成人0.3%
老父母0.3%
老親0.3%
老齢0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老人としより子供こどもだから馬鹿ばかにしておもふやうにはうごいてれぬと祖母おばあさんがつてたつけ、れがすこ大人おとなると質屋しちやさして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其処そこへ和上の縁談が伝はつたので年寄としより仲間は皆眉をひそめたが、う云ふ運命まはりあはせであつたか、いよ/\呉服屋の娘の輿入こしいれがあると云ふ三日前みつかまへ
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
老年としよりが罪を造るのも貧ゆえです。ねえ、貴女あなた。」と綾子眼をしばたたけば、貞子はうなずきて、「定や、あれを遣わすが可い。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
短い脇差を帯にさし、草履のを足にしばっているので、人々はこのきかない気の老婆としよりがもう何を決意しているか、よく分った。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奥様おくさんみたま何程どんなに喜んで聴いてらつしやるかと思ひましてネ——オホヽ梅子さん、又た年老としよりの愚痴話、御免遊ばせ——
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
老女 ある人はわたしのことを「かわいそうな老女としより」と云っている、ある人は「フウリハンの娘のカスリイン」とも言っている。
子息むすこは茶のの火鉢のところに坐って、老母としよりと茶を呑んでいた。で肩の男の後姿が、上り口の障子の腰硝子から覗くお庄の目についた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
俊頼としより顕昭けんしょうの盛んに古歌を解説した時代には、果して京都でもそう啼いたものか否かは知らぬが、少なくともこの話だけは源平以前からあった。
おこそ頭巾をかぶった祖母としよりに手をひかれてあるいていた、そのころのわたしを、さびしくおもい起すのである。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
林の隠居は、こんな事をしたことの無い、温柔おとなしい老婦としよりで、多勢の前へ出ると最早下を向いて了った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
僧都、すぐに出向うて、遠路であるが、途中、早速、硝子ビイドロとそのまがたまを取棄てさして下さい。お老寄としよりに、御苦労ながら。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
保羅が、門の前で大きな声で叫ぶと、すこし離れた別棟の小屋の戸があいて、提灯ちょうちんをさげた、六十ばかりの老爺としよりがびっこをひきながら出て来て、ひどく大儀そうに門をあけた。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
七十のとしよりが、往復六里。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして給仕をしている者は、どれも黒褐色の衣服を着ていたが、そのうちの一人はこどもで、他の一人はとしよりのようであった。と、黄な衣服を着た者の話す声が聞えて来た。
汪士秀 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
『お父さん、豚が煮えやしたから。』と、宗三郎は手づから皿に肉を盛つて老父としよりにすゝめた。
四十余日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
『菊池ツて云ふさうです。何でも、釧路に居る記者の中では一番年長者としよりだらうツて話でしたよ。』
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
どうで隠居いんきょをするというのだから、老者としより覚悟かくごの前だッたが、その疲曳よぼよぼめくらなのには驚いたね。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、土地ところ長老としより五人をえらんで、その者たちに処理を托した。——そして、即日
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はい、はい、御尤ごもっともで。実はおかを参ろうと存じましてございましたが、ついこの年者としよりと申すものは、無闇むやみと気ばかりきたがるもので、一時いっときも早く如来様にょらいさまが拝みたさに、こんな不了簡ふりょうけんを起しまして。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同じ話がまた、前夜其場に行合せた農夫ひやくしやうが、午頃ひるごろ何かの用で小川家の台所に来た時、やや詳しく家中の耳に伝へられた。成年者としより達は心から吉野の義気に感じた様に、それに就いて語つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
おまえの髪としっかり結びあわ喼喼きゅうきゅう如律令にょりつりょうとなえて谷川に流しすてるがよいとの事、憎や老嫗としよりの癖に我をなぶらるゝとはしりながら、貴君あなた御足おんあし止度とめたさ故に良事よいことおしられしようおぼえ馬鹿気ばかげたるまじない
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
しょうあるものは必ず滅する。老木の朽ち枯れるそばで、若木は茂り栄えて行く。嫡子ちゃくし光尚の周囲にいる少壮者わかものどもから見れば、自分の任用している老成人としよりらは、もういなくてよいのである。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
階下したでは、老父母としよりも才次夫婦も子供達も、彼方此方あちらこちらの部屋に早くから眠りに就いて、階子段はしごだんの下の行燈あんどんが、深い闇の中に微かな光を放つてゐた。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
老親としよりにも女房子にも、たまには、帰って功名ばなしの一つも聞かせ、一合のお扶持ふちでも御加増に逢って、歓ばせてやりたいからな
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
梅は大隈侯のやうに老齢としよりで、加之おまけにまた大隈侯のやうに杖にりかゝつてゐたが、玄知はその姿が気に入つたので、早速百姓に掛合つてみると、百姓は幾らかむさぼつたを切り出した。