俊頼としより)” の例文
時の陪従べいじゅう、つまり勅使のお供をして、神前に音楽を奉納するお供の楽人であるが、その陪従の一人が『金葉集』の撰者の源俊頼としよりであった。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
俊頼としより顕昭けんしょうの盛んに古歌を解説した時代には、果して京都でもそう啼いたものか否かは知らぬが、少なくともこの話だけは源平以前からあった。
「取つなげ玉田横野の放れ駒、つゝじの下に馬酔木花さく」と俊頼としよりは詠んだ(『塵添壒嚢抄じんてんあいのうしょう』九、『夫木集抄』三)。紀州で、その葉の煎汁で蘿蔔だいこんの害虫を除く。
俊頼としよりの歌に「山里のこやのえびらにる月の影にもまゆの筋は見えけり」とあるえびらは、家の中にある器具かと見え候へど、それを桑の葉入れにも用ゐ候にや。識者の教をわずらはしたく候。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ずっと前に源俊頼としよりの『散木奇歌集さんぼくきかしゅう』九に、内わたりに夜更けてあるきけるに、かたちよしといわれける人の打ち解けてしとしけるを聞きてしわぶきをしたりければ恥じて入りにけり
余の初め歌を論ずる、ある人余に勧めて俊頼としより集、文雄ふみお集、曙覧あけみ集を見よという。それかくいうは三家の集が尋常歌集に異なるところあるをもってなり。まずみなもとの俊頼の『散木弃歌集さんぼくきかしゅう』を見て失望す。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
また俊頼としよりの歌の詞書ことばがきにも
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)