老爺としより)” の例文
田舎からの湯治客らしい二人の老爺としよりが、晴々しく、物珍らし気な微笑をたゝへて、そこから出て来た。彼等は、景色について愉快さうに話しあうてゐた。
環魚洞風景 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
保羅が、門の前で大きな声で叫ぶと、すこし離れた別棟の小屋の戸があいて、提灯ちょうちんをさげた、六十ばかりの老爺としよりがびっこをひきながら出て来て、ひどく大儀そうに門をあけた。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どこか好色そうな老爺としよりだった。
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)