“としよ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
年寄48.3%
年老28.3%
屠所5.0%
老寄5.0%
3.3%
屠處3.3%
屠処1.7%
老耊1.7%
老耋1.7%
蠧書1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
為義ためよしはもう七十の上を出た年寄としよりのことでもあり、天子てんしさま同士どうしのおあらそいでは、どちらのお身方みかたをしてもぐあいがわるいとおもって
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
国にいる年老としよった母親から来る手紙に、下宿へ出る前後から、まだ一度も返辞を書かなかったことなども、時々笹村の心を曇らした。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
なし非人ひにん乞食こつじき取込で相良さがらの町へ引出されしは屠所としよの歩行の未の上刻是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
多分、老寄としよりに特有な気の廻し方で、茂子に実子ができれば継子である正雄に対する愛がうすらぐとでも考へたものだらう。この気持は当然茂子に反映した。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
鴈治郎はとしよつた尼さんのやうな寂しさうな眼もとをして、をふつた。そのは女の涙を拭いてやるために態々わざ/\拵へたやうに繊細きやしやに出来てゐた。
いのちにかへてうそとはおぼしめすまじ、それほど度胸どきようすわれどおくこゝろ屠處としよひつじなり。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
命にかへてうそとは思しめすまじ、それほど度胸すわれど奥の間へ行く心は屠処としよの羊なり。
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
年頃節倹の功が現われてこの頃ではすこしは貯金たくわえも出来た事ゆえ、老耊としよッたお袋に何時までも一人住ひとりずみの不自由をさせて置くも不孝の沙汰さた、今年の暮には東京こっちへ迎えて一家を成して
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
貴嬢あなたにゃ可笑おかしいか知らんがわたくしにゃさっぱり可笑しく無い。薄命とは云いながら私の身がきまらんばかりで、老耋としよッた母にまで心配掛けるかと思えば、随分……たまらない。それに慈母さんも……」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
大千世界を見ること、掌中の菴羅果あんらくわの如くすといふ程の意氣が無くてはならぬ。一卷の蠧書としよに眼睛を瞎卻かつきやくされて、白首皓髯、猶机を離れずといふやうではならぬ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)