屠所としよ)” の例文
屠所としよの羊の様な顔をして、神妙に眼をつぶりながら、ぢつと日に照りつけられてゐると、今度は、顔と云はず体と云はず、上になつてゐる部分の皮膚が、次第に或痛みを感じるやうになつて来た。
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なし非人ひにん乞食こつじき取込で相良さがらの町へ引出されしは屠所としよの歩行の未の上刻是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぼくにはまるで屠所としよの羊の、羊小屋である。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)