“可笑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おか64.5%
をか19.3%
おかし10.0%
をかし4.8%
かし0.7%
をかしき0.2%
おかしく0.1%
をかしい0.1%
をかしく0.1%
をかしさ0.1%
ヲカシ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが自分にうつろうがうつるまいが、そんなことは一切合財考えなしで随分可笑おかしな不調和な扮装つくりをしている人が沢山あるようです。
好きな髷のことなど (新字新仮名) / 上村松園(著)
みんな勝手にしやべつて、勝手にきめてしまふので、高一は可笑をかしくもあり、面白くもあり、だまつてニヤ/\笑つて見てゐました。
栗ひろひ週間 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
可笑おかしかったのは、花時はなどき向島むこうじま高櫓たかやぐらを組んで、墨田の花を一目に見せようという計画でしたが、これは余り人が這入はいりませんでした。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
可笑をかしなお話をいたしましたが、策伝さくでんの話より、一そう御意ぎよいかなひ、其後そののち数度たび/\御前ごぜんされて新左衛門しんざゑもんが、種々しゆ/″\滑稽雑談こつけいざつだんえんじたといふ。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
事実は世の中をあきらめると、何だか自分で自分がお可笑かしいくらい働き出し、而もそれを働いて居るとも感じないのです。
ある日の蓮月尼 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
可笑をかしき可憐あはれなる事可怖おそろしき事種々しゆ/″\さま/″\ふでつくしがたし。やう/\東雲しのゝめころいたりて、水もおちたりとて諸人しよにん安堵あんどのおもひをなしぬ。
久く考えていて、「あ、お勢の事か」とからくして憶い出しは憶い出しても、宛然さながら世を隔てた事の如くで、面白くも可笑おかしくも無く、そのままに思い棄てた、しばらくは惘然ぼうぜんとして気の抜けた顔をしていた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
鹿川先生と同じく、此校創立以来既に三十年近く勤続して居る正直者、歩振あるきぶり可笑をかしいところから附けられた、『家鴨あひる』といふ綽名あだなをも矢張三十年近く呼ばれて居る阿部老小使である。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
おとさぬやう可笑をかしくもあらぬことにまで笑ひなぐさめ居たりしが兎角とかく藥の効驗しるしもなく夏もさり秋も過てはや其年もくれになりけれども一向にしるしも見えずかくて居ることすでに一年餘りに成ければ路用ろようたくはへとてもお花が所持しよぢせし百兩は惡漢わるものに奪ひ取れ友次郎がもちし百兩も岡山を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
恐怖おそれ可笑をかしさの眼をみはつたまま
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
コレヲ我ガ四国衆ノ、鎧毛ヨロヒゲモ切レ腐リテ、麻糸ヲ以テツヅリシヲチヤクシ、腰小旗ヲ横ニ、柄長エナガ柄短エミジカノ不揃ヒナル駆ケ草鞋ワラヂノ軍勢ト見較ベンニハ、可笑ヲカシキバカリ、事違ヒテ、上方カミガタ勢トハ似ルベクモナシ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)