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可笑
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をかし
ふりがな文庫
“
可笑
(
をかし
)” の例文
可笑
(
をかし
)
なお話をいたしましたが、
策伝
(
さくでん
)
の話より、一
層
(
そう
)
御意
(
ぎよい
)
に
適
(
かな
)
ひ、
其後
(
そののち
)
数度
(
たび/\
)
御前
(
ごぜん
)
に
召
(
め
)
されて
新左衛門
(
しんざゑもん
)
が、
種々
(
しゆ/″\
)
滑稽雑談
(
こつけいざつだん
)
を
演
(
えん
)
じたといふ。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『馬鹿なことを言ひたまへ。』と丑松は
反返
(
そりかへ
)
つて笑つた。笑ふには笑つたが、然しそれは
可笑
(
をかし
)
くて笑つたやうにも聞えなかつたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「何もお前、泣くことは無いぢやないか。
可笑
(
をかし
)
な人だよ、だからお前の言ふことは解つてゐるから、内へ帰つて、善く話をした上で……」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
私
(
わたくし
)
を
貰
(
もら
)
ふと云つた
方
(
かた
)
なの。ほゝゝ
可笑
(
をかし
)
いでせう。美禰子さんの
御兄
(
おあに
)
いさんの御友達よ。
私
(
わたくし
)
近
(
ちか
)
い
内
(
うち
)
に又
兄
(
あに
)
と一所に
家
(
うち
)
を持ちますの。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから、武の顔を見ると、鱒の歯に
当
(
あて
)
られて、少し血が出て居り升た。母は可愛さうだと思ひながらも
可笑
(
をかし
)
くつてたまらず
鼻で鱒を釣つた話(実事)
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
▼ もっと見る
我
(
われ
)
は
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つて、
双
(
さう
)
の
眼
(
まなこ
)
で
明
(
あきら
)
かに
見
(
み
)
る
采
(
さい
)
の
目
(
め
)
を、
多勢
(
たぜい
)
が
暗中
(
あんちゆう
)
に
摸索
(
もさく
)
して、
丁
(
ちやう
)
か、
半
(
はん
)
か、
生
(
せい
)
か、
死
(
し
)
か、と
喧々
(
がや/\
)
騒
(
さわ
)
ぎ
立
(
た
)
てるほど
可笑
(
をかし
)
な
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
恐ろしく肥つた、
体重
(
めかた
)
が四十貫の上もあらうといふ大男で、こんな図体で、罪のない物真似をするのが
可笑
(
をかし
)
いといつて
観客
(
けんぶつ
)
に大持てである。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その矢の根五郎吉が命にかけて隱し了せた二千兩の金を、弟分の彦徳の源太が、五郎吉を縛つた俺やお前にくれるといふのは
可笑
(
をかし
)
いぢやないか
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さう云や、先だつても、飛んだ
可笑
(
をかし
)
なことを云つてゐさしたつけよ。だしぬけに、『死なば今だ。』つて云はつしやるんだ。
野の哄笑
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
慰めにも為りてやりたしと、人知らば
可笑
(
をかし
)
かるべき
自
(
うぬ
)
ぼれも手伝ひて、おぬひの事といへば我が事のように喜びもし
怒
(
いか
)
りもして過ぎ来つるを
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで
可笑
(
をかし
)
くて
堪
(
たま
)
りませんでした、が
皆
(
みん
)
な
揃
(
そろ
)
ひも
揃
(
そろ
)
つて
眞面目
(
まじめ
)
くさつてるので、
眞逆
(
まさか
)
自分
(
じぶん
)
獨
(
ひと
)
り
笑
(
わら
)
ふ
譯
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
きませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
江部乙
(
えべおつ
)
駅を過ぎて間もなく、汽車は鉄橋にかゝつた。川もないのに鉄橋とは
可笑
(
をかし
)
いと思つて、窓をあけると、傍人は「石狩川です」と教へて呉れた。
雪中行:小樽より釧路まで
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
毎日々々
(
まいにち/\
)
面白
(
おもしろ
)
く
可笑
(
をかし
)
く
遊
(
あそ
)
んで
居
(
を
)
る
内
(
うち
)
、
或
(
ある
)
日
(
ひ
)
の
事
(
こと
)
其
(
その
)
老爺
(
をやぢさん
)
が
作
(
こしら
)
へて
呉
(
く
)
れた
菱形
(
ひしがた
)
の
紙鳶
(
たこ
)
を
甲板
(
かんぱん
)
に
飛
(
と
)
ばさんとて、
頻
(
しきり
)
に
騷
(
さは
)
いで
居
(
を
)
つたが、
丁度
(
ちやうど
)
其時
(
そのとき
)
船橋
(
せんけう
)
の
上
(
うへ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
中間
(
ちうげん
)
七助と云ふ者
先刻
(
せんこく
)
より此樣子を見て
心
(
こゝろ
)
可笑
(
をかし
)
く走り出で主人を
止
(
とゞ
)
め
先々
(
まづ/\
)
御待下
(
おんまちくだ
)
さるべし只今彼方にて承まはりしが
御立腹
(
ごりつぷく
)
は
御道理
(
ごもつとも
)
なり然しながら女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「それにしても、考へると、
可笑
(
をかし
)
くつてなんねえだよ。あの
大
(
でか
)
い睾丸を拘へてよ、それで姫ツ子を自由に
為
(
し
)
ようつて言んだから、こいつは中々骨が折れるあ!」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
源太は却つて
心
(
しん
)
から
可笑
(
をかし
)
く思ふとも知らずにお傳はすいと明くれば、のろりと入り来る客は色ある新造どころか香も艶もなき無骨男、ぼう/\
頭髪
(
あたま
)
のごり/\
腮髯
(
ひげ
)
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
飮み大グズとなりて此座
可笑
(
をかし
)
からず泊りを先の
宿
(
しゆく
)
にして飮み直すべしといふ途方もなき事を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
さきの夕「アルジエンチナ」座にて興行したる
可笑
(
をかし
)
き
假粧舞
(
フエスチノ
)
の事、
詩女
(
ムウザ
)
の導者たるアポルロン、古代の力士、
圓鐵板
(
ヂスコス
)
投ぐる男の像等に
肖
(
に
)
せたる假面の事など、次を
逐
(
お
)
ひて談柄となりぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
... 愛するつてことは私の心が許しませぬから——チヤンチヤラ
可笑
(
をかし
)
くて」言ひつゝ剛造を横目に
睨
(
にら
)
みつ「是れと云ふも
皆
(
みん
)
な
我夫
(
あなた
)
が、
実母
(
おや
)
の無い児/\つて甘やかしてヤレ松島さんは少し年を ...
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
真闇
(
まつくら
)
な向ふの路次口に転がり落ちて逃げてゆく猫の滑稽な動作を想像した、而して急に勝ち誇つた感情の弛緩と
陋
(
さも
)
しい皮肉な冷笑とが多少の
可笑
(
をかし
)
みをさへ交へて私の心に突き上げてきた。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
手に取れぬだけ、皆様が、思ひ切つての悪口を、主人の口から聞いた時、それ見た事かと、
可笑
(
をかし
)
さを、わざとこちから誉め返し、誉めた口からいはせたは、浮気男によい懲らしめでござんする。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
氷に
黄
(
き
)
な
粉
(
こ
)
をかけたるは江戸の目には見も
慣
(
なれ
)
ず
可笑
(
をかし
)
ければ、京水と
相目
(
あひもく
)
して
笑
(
わらひ
)
をしのびつゝ、是は
価
(
あたひ
)
をとらすべし、今ひとさらづゝ豆の粉をかけざるをとて、
両掛
(
りやうがけ
)
に
用意
(
ようい
)
したる
沙糖
(
さたう
)
をかけたる
削氷
(
けづりひ
)
に
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
貫一は知らざる如く、
彼方
(
あなた
)
を向きて答へず。
仔細
(
しさい
)
こそあれとは覚ゆれど、例のこの人の無愛想よ、と満枝は
傍
(
よそ
)
に見つつも
憫
(
あはれ
)
に
可笑
(
をかし
)
かりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
も一つ
可笑
(
をかし
)
な
話
(
はなし
)
がある。
鳥屋
(
とりや
)
のお
客
(
きやく
)
が
歸
(
かへ
)
る
時
(
とき
)
に、
娘
(
むすめ
)
が、「こんだいつ
被入
(
いらつしや
)
るの。」と
言
(
い
)
ふと、
女房
(
かみさん
)
が
又
(
また
)
うツかり、「お
近
(
ちか
)
い
内
(
うち
)
——」と
送
(
おく
)
り
出
(
だ
)
す。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
若
(
も
)
しや
地球
(
ちきう
)
を
貫
(
つらぬ
)
いて一
直線
(
ちよくせん
)
に
落
(
お
)
ちて
行
(
ゆ
)
くのぢやないかしら!
逆
(
さか
)
さになつて
歩
(
ある
)
いてる
人間
(
にんげん
)
の
中
(
なか
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つたらどんなに
可笑
(
をかし
)
いでせう!オー
可厭
(
いや
)
なこと
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『ハイ。そでごあんすどもなす、先生樣、兄弟何方も一年生だら、
可笑
(
をかし
)
ごあんすべアすか?』と、老女は
鐵漿
(
おはぐろ
)
の落ちた齒を見せて、テレ隱しに追從笑ひをした。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
エー
若春
(
わかはる
)
の事で、
却
(
かへ
)
つて
可笑
(
をかし
)
みの
落話
(
おとしばなし
)
の
方
(
はう
)
が
宜
(
い
)
いと
心得
(
こゝろえ
)
まして一
席
(
せき
)
伺
(
うかゞ
)
ひますが、
私
(
わたくし
)
は誠に
開化
(
かいくわ
)
の事に
疎
(
うと
)
く、
旧弊
(
きゆうへい
)
の事ばかり
演
(
や
)
つて
居
(
を
)
りますと、
或
(
あ
)
る
学校
(
がつかう
)
の
教員
(
けうゐん
)
さんがお
出
(
い
)
でで
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
胸の恨を棄てなんことは忍ぶべからず、平等の見は我が敵なり、差別の観は朕が宗なり、仏陀は智なり朕は情なり、智水千頃の池を湛へば情火万丈の
燄
(
ほのほ
)
を拳げん、
抜苦与楽
(
ばつくよらく
)
の法
可笑
(
をかし
)
や
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
深く思ひ初主人の妹とは知ながら折々
可笑
(
をかし
)
き
想振
(
そぶり
)
などして袖
袂
(
たもと
)
を
曳
(
ひき
)
けれども此吾助元來
醜
(
みにく
)
き男にて
勿々
(
なか/\
)
お花が相手になるべき
器量
(
きりやう
)
ならず殊に若黨なれば尚更
請引
(
うけひく
)
樣もなければ只一人
胸
(
むね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『明後日引越すのは
其様
(
そんな
)
に
可笑
(
をかし
)
いでせうか。』丑松の眼は急に輝いたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
人
(
ひと
)
知
(
し
)
らば
可笑
(
をかし
)
かるべき
自
(
うぬ
)
ぼれも
手傳
(
てつだ
)
ひて、おぬひの
事
(
こと
)
といへば
我
(
わ
)
が
事
(
こと
)
のように
喜
(
よろこ
)
びもし
怒
(
いか
)
りもして
過
(
す
)
ぎ
來
(
き
)
つるを、
見
(
み
)
すてゝ
我
(
わ
)
れ
今
(
いま
)
故郷
(
こきよう
)
にかへらば
殘
(
のこ
)
れる
身
(
み
)
の
心
(
こゝろ
)
ぼそさいかばかりなるべき
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「もう、そろ/\
蛍
(
ほたる
)
が
出
(
で
)
る時分ですな」と云つた。代助は
可笑
(
をかし
)
な
顔
(
かほ
)
をして
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
真白な面を
緊張
(
ひきし
)
めてくるくるともんどりうつ凄さ、
可笑
(
をかし
)
さ、又その心細さ、くるくると
戯
(
おど
)
け廻つて居る内に
生真面目
(
きまじめ
)
な心が益落ちついて、凄まじい昼間の恐怖が腋の下から、咽喉から、臍から
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
態
(
わざ
)
と知らせて
馬鹿
(
ばか
)
がらせて
悦
(
よろこ
)
ばせれば、
大面先生
(
おほづらせんせい
)
横平
(
よこひら
)
たく、
其面
(
そのつら
)
を
振
(
ふ
)
り
廻
(
まは
)
し、
菊塢
(
きくう
)
は
可笑
(
をかし
)
い
奴
(
やつ
)
だ、今度の会は
彼処
(
あすこ
)
で
催
(
もよほ
)
してやらうと
有難
(
ありがた
)
くない
御託宣
(
ごたくせん
)
、これが
諸方
(
しよはう
)
へ
引札
(
ひきふだ
)
となり、
聞人達
(
もんじんたち
)
の
引付
(
ひきつけ
)
で
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
氷に
黄
(
き
)
な
粉
(
こ
)
をかけたるは江戸の目には見も
慣
(
なれ
)
ず
可笑
(
をかし
)
ければ、京水と
相目
(
あひもく
)
して
笑
(
わらひ
)
をしのびつゝ、是は
価
(
あたひ
)
をとらすべし、今ひとさらづゝ豆の粉をかけざるをとて、
両掛
(
りやうがけ
)
に
用意
(
ようい
)
したる
沙糖
(
さたう
)
をかけたる
削氷
(
けづりひ
)
に
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
込
(
こ
)
み
上
(
あ
)
げて
來
(
く
)
る
可笑
(
をかし
)
さを
無理
(
むり
)
に
怺
(
こら
)
えて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
行けよと命ぜられたるとなんぞ択ばん、これ有る
哉
(
かな
)
、紅茶と栗と、と貫一はその
余
(
あまり
)
に安く売られたるが
独
(
ひと
)
り
可笑
(
をかし
)
かりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
手
(
て
)
を
其
(
そ
)
の
傘
(
かさ
)
に
支
(
さゝ
)
へて、ほし
棹
(
ざを
)
にかけたまゝ、ふら/\と
宙
(
ちう
)
に
泳
(
およ
)
いだ。……この
中
(
なか
)
でも
可笑
(
をかし
)
い
事
(
こと
)
がある。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、これには自分ながら直ぐ
可笑
(
をかし
)
くなつて了つて、又しても「左の袂、左の袂」を思ひ出す。……
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
アノ
奥
(
おく
)
のね、
真卓先生
(
しんたくせんせい
)
の
許
(
とこ
)
から
貰
(
もら
)
つたんだよ。亭「うむ、アノお
医者
(
いしや
)
か、
可笑
(
をかし
)
いな。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
扨
(
さて
)
道々長兵衞八五郎は後藤に向ひ彼の久兵衞と云ふ奴は先生を見ると大いに
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
せし樣子にて
無闇
(
むやみ
)
に手を合せて
御慈悲々々
(
おじひ/\
)
と
謝
(
あや
)
まりたる
可笑
(
をかし
)
さよ尤も先生の勢が
凄
(
すさま
)
じいゆゑ誰も先生の顏を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
殘して滊車はつれなく
出
(
いで
)
にけり
此
(
こゝ
)
が風流だ此の失策が妙だと
自
(
みづか
)
ら慰むるは朝寐せし一人にて風流ごかしに
和
(
なだ
)
められ滊車に乘おくれるが何が風流ぞと怒つたところで
可笑
(
をかし
)
くもなければ我も苦笑ひして
此方
(
こなた
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
足
(
あし
)
に
贈物
(
おくりもの
)
をするなんて
餘程
(
よツぽど
)
可笑
(
をかし
)
いわ!
宛名
(
あてな
)
が
何
(
ど
)
んなに
變
(
へん
)
でせう!
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と無骨な礼を為たるも
可笑
(
をかし
)
。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
なにごとの
可笑
(
をかし
)
さぞ。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鯉
(
こひ
)
とも
思
(
おも
)
ふが、
木
(
き
)
が
小
(
ちつこ
)
い。
鰌
(
どぜう
)
では
可笑
(
をかし
)
かんべい。
鮒
(
ふな
)
を
一
(
ひと
)
ツ
製
(
こさ
)
へて
見
(
み
)
せつせえ。
雑
(
ざつ
)
と
形
(
かたち
)
で
可
(
え
)
え。
鱗
(
うろこ
)
は
縦横
(
たてよこ
)
に
筋
(
すぢ
)
を
引
(
ひ
)
くだ、……
私
(
わし
)
も
同
(
おな
)
じに
遣
(
や
)
らかすで、
較
(
くら
)
べて
見
(
み
)
るだね。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
可哀相なは慎次で、四五枚の札も守り切れず、イザとなると
可笑
(
をかし
)
い身振をして
狼狽
(
まごつ
)
く。それを面白がつたのは
嫂
(
あによめ
)
の清子と静子であるが、其
狼狽方
(
まごつきかた
)
が
故意
(
わざ
)
とらしくも見えた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
学生時代
(
がくせいじだい
)
の
石橋
(
いしばし
)
と
云
(
い
)
ふ者は実に顔が広かつたし、
且
(
かつ
)
前
(
ぜん
)
に
学習院
(
がくしうゐん
)
に
居
(
ゐ
)
た事があるので、
善
(
よ
)
く売りました、
第一
(
だいいち
)
其
(
そ
)
の
形
(
かたち
)
と
云
(
い
)
ふものが
余程
(
よほど
)
可笑
(
をかし
)
い、
石橋
(
いしばし
)
が
鼻目鏡
(
はなめがね
)
を
掛
(
か
)
けて今こそ
流行
(
はや
)
るけれど
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
など考ふるに眼はさえて今宵は
草臥
(
くたびれ
)
に紀行も書ざりしが
明日
(
あす
)
の泊りは早くして必らず二日分
認
(
したゝ
)
むべし四人別々に書く紀行拙者も貴公も同案にては
可笑
(
をかし
)
からずハテ
甘
(
うま
)
く書きたいもの何ぞ名案名趣向名句もせめて一二句は
彼
(
あれ
)
も
斯
(
かう
)
して是もまたカウ/\グウ/\
鼾
(
いびき
)
の音
偖
(
さて
)
よく人は
睡
(
ねぶ
)
らるゝよ障子を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
第一
(
だいいち
)
女
(
をんな
)
どもが
寄着
(
よりつ
)
かない。おてうしが
一二本
(
いちにほん
)
、
遠見
(
とほみ
)
の
傍示
(
ばうじ
)
ぐひの
如
(
ごと
)
く
押立
(
おつた
)
つて、
廣間
(
ひろま
)
はガランとして
野
(
の
)
の
如
(
ごと
)
し。まつ
赤
(
か
)
になつた
柳川
(
やながは
)
が、
黄
(
き
)
なるお
羽織
(
はおり
)
……これが
可笑
(
をかし
)
い。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
“可笑”で始まる語句
可笑味
可笑相