“腮髯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あごひげ77.8%
ひげ22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
生死一如しやうしいちによと觀念瞑目して、老僧は疎らな腮髯あごひげを扱きつゝ、新たに養女となつた絹子をば、生みの娘のやうに可愛がつてゐた。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
六畳間には、顔の長い、頬のげた、そしてくぼんだ穴の中に鋭い眼のある老人が、漆黒しっこく腮髯あごひげをしごいて、いつも書見か、墨池ぼくちに親しんでいる。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぼうぼう頭髪あたまのごりごり腮髯ひげかおよごれて衣服きものあかづき破れたる見るから厭気のぞっとたつほどな様子に、さすがあきれて挨拶あいさつさえどぎまぎせしまま急には出ず。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
源太は却つてしんから可笑をかしく思ふとも知らずにお傳はすいと明くれば、のろりと入り来る客は色ある新造どころか香も艶もなき無骨男、ぼう/\頭髪あたまのごり/\腮髯ひげ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)