“削”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けず43.0%
33.7%
けづ11.7%
4.0%
こそ1.0%
1.0%
けずり0.7%
けづら0.7%
そぎ0.7%
かい0.3%
0.3%
けずっ0.3%
けずる0.3%
けんず0.3%
こな0.3%
0.3%
さく0.3%
はぶ0.3%
ケヅ0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なぜならつくえかどは、小刀こがたなかなにかで、不格好ぶかっこうけずとされてまるくされ、そして、かおには、縦横じゅうおうきずがついていたのであります。
春さきの古物店 (新字新仮名) / 小川未明(著)
見上げると両側の山は切りいだように突っ立って、それに雑木ぞうき赭松あかまつが暗く茂っていますから、下からると空は帯のようなのです。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
お前は、毒菓子から目印めじるしの赤い飾り種をけづり取り、懷ろ紙か何かに包んで持つて來る途中、小窓をまたぐとき敷居にこぼしたことだらう。
白皙だつた顏の艶も失せ、頬のげつそりけたのが目立つて見えた。濃い髯の剃り跡の青々しさにも、何やら悲しい思ひを誘はれた。
湖畔手記 (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
それから爪でこつこつこそげました。それから息をかけました。そのすきとほった氷の穴からくろずんだ松林と薔薇色の雪とが見えました。
氷と後光 (旧字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
老いたる師の体が毎夜、かんなけてゆくように痩せてゆくのを側目はために見ても。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
らく」と銘打つ作の如き、この悲劇に陥らなかったものがどれだけあろうか。いかに意識してけずりを作り、高台を考え、形を奇にしているであろう。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
寒氷かんひやうありみづからたうり氷をけづらる、きやうに入る事甚し
理髪師によってそぎ取られた或男あるおとこの鼻が、官吏の礼服を着けていろんな所に出没するという、はなは巫山戯ふざけた小説であるが、そこにシリアスな人生観察が宿っていそうに推察される。
武州公秘話:02 跋 (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
男はこれに構わず、膳の上に散りしかいたる鰹節を鍋のうちつまんで猪口ちょくを手にす。ぐ、む。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
義雄はわざとがたびしと玄關の土間にある下駄箱の蓋を明けて、自分の兩り下駄を出して足に突ツかけ、逃げ出すやうに家を出た。
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
ソレが此方こっちでは分らなくてどうにも始末が付かない。又党派には保守党と自由党と徒党のような者があって、双方負けず劣らずしのぎけずって争うて居ると云う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それにくらべると、こんどの小刀こがたなは、ひじょうによくれたのです。かみるのにも、ほとんどおとがしなければ、また鉛筆えんぴつけずるるのにもサクリサクリとれて、それは、おもしろかったのであります。
脊の低いとがった男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
竹をやはけんずる 真竹やはけんずる
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
そこで最初ノッケから手を附けた四十尺ばかりの美事な米松べいまつ棟木むなぎをコツンコツンとこなして行くうちに四十尺ブッ通しのつながった削屑アラをブッ放しちゃったんで
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「そんな下らない小説にページをくのだったら、もう雑誌の購読は止めちまうぞ」とか
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてまだ陽を見たことのないクリーム色の(十二さく)そして彼女の完全な(それは、悲しい、思っただけでも胸のうずくような)離反! 自棄酒やけざけ
自殺 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
面倒なことは出来るだけはぶくといふのが、あたくしの生活のモツトオなんですから……。
可児君の面会日 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
其中一番古くからあつて、一番長く伝はつて居るのは、ケヅり掛けである。柳などの木を削つて、ひげを沢山出してある。此をケヅり掛け、或はケヅり花と言ふ。
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
◎龍馬の石碑なども元は薩摩でつたのです。私はソレを聞いて吃驚し海援隊の者に話すとソレは不都合と云つて、つゞまり其石を薩摩から譲り受けて海援隊の名義で立てました。
千里駒後日譚 (新字旧仮名) / 川田瑞穂楢崎竜川田雪山(著)