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削
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けづ
ふりがな文庫
“
削
(
けづ
)” の例文
お前は、毒菓子から
目印
(
めじるし
)
の赤い飾り種を
削
(
けづ
)
り取り、懷ろ紙か何かに包んで持つて來る途中、小窓を
跨
(
また
)
ぐとき敷居にこぼしたことだらう。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
木曾
(
きそ
)
は
檜木
(
ひのき
)
の
名所
(
めいしよ
)
ですから、あの
木
(
き
)
を
薄
(
うす
)
い
板
(
いた
)
に
削
(
けづ
)
りまして、
笠
(
かさ
)
に
編
(
あ
)
んで
冠
(
かぶ
)
ります。その
笠
(
かさ
)
の
新
(
あたら
)
しいのは、
好
(
い
)
い
檜木
(
ひのき
)
の
香氣
(
にほひ
)
がします。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
決
(
けつ
)
して
安泰
(
あんたい
)
ではない。
正
(
まさ
)
に
其
(
そ
)
の
爪
(
つめ
)
を
剥
(
は
)
ぎ、
血
(
ち
)
を
絞
(
しぼ
)
り、
肉
(
にく
)
を
毮
(
むし
)
り
骨
(
ほね
)
を
削
(
けづ
)
るやうな
大苦艱
(
だいくかん
)
を
受
(
う
)
けて
居
(
ゐ
)
る、
倒
(
さかさま
)
に
釣
(
つ
)
られて
居
(
ゐ
)
る。…………………
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
高田
(
たかた
)
御
城
(
しろ
)
大手先の
広場
(
ひろば
)
に、木を
方
(
かく
)
に
削
(
けづ
)
り尺を
記
(
しる
)
して
建
(
たて
)
給ふ、是を雪
竿
(
さを
)
といふ。長一丈也。雪の
深浅
(
しんせん
)
公税
(
こうぜい
)
に
係
(
かゝ
)
るを以てなるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
僕等はいつか工事場らしい
板囲
(
いたかこ
)
ひの前に通りかかつた。そこにも労働者が二三人、せつせと
槌
(
つち
)
を動かしながら、大きい
花崗石
(
くわかうせき
)
を
削
(
けづ
)
つてゐた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
汝の願ひの一部は
滿
(
み
)
つべし、そは汝
削
(
けづ
)
られし木を見、何故に
革紐
(
かはひも
)
を
纏
(
まと
)
ふ者が「迷はずばよく
肥
(
こ
)
ゆるところ」と 一三六—一三八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
これがためにいかなる重みある詞を
削
(
けづ
)
り給はんも、又いづくより阿のこゑの韻脚を取り給はんも、そは唯だ君が責に歸せん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
入りにし人の跡もやと、
此處彼處
(
こゝかしこ
)
彷徨
(
さまよ
)
へば、とある
岸邊
(
きしべ
)
の大なる松の幹を
削
(
けづ
)
りて、
夜目
(
よめ
)
にも
著
(
しる
)
き數行の文字。月の光に立寄り見れば、南無三寶。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
正に
骨味
(
ほねみ
)
を
削
(
けづ
)
るが如くあれほど
必
(
ひつ
)
死に
眞劍
(
しんけん
)
に
爭
(
あらそ
)
ひ
戰
(
たゝか
)
はなければならないとは! さう言えば、
昔
(
むかし
)
爭
(
あらそ
)
ひ
將棋
(
せうき
)
に
敗
(
やぶ
)
れて
血
(
ち
)
を
吐
(
は
)
いて死んだ
若
(
わか
)
い
棋士
(
きし
)
があつた。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
の
削
(
けづ
)
つたやうな
痩
(
や
)
せた
顏
(
かほ
)
が
何時
(
いつ
)
でも
僻
(
ひが
)
んでさうして
怒
(
おこ
)
り
易
(
やす
)
いのを
彼等
(
かれら
)
は
嘲笑
(
てうせう
)
の
眼
(
まなこ
)
を
以
(
もつ
)
て
遠
(
とほ
)
くから
覗
(
のぞ
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
藥草類
(
やくさうるゐ
)
を
撰
(
え
)
ってをったが、
顏
(
かほ
)
は
痩枯
(
やせが
)
れ、
眉毛
(
まゆげ
)
は
蔽
(
おほ
)
い
被
(
かぶさ
)
り、
鋭
(
するど
)
い
貧
(
ひん
)
に
躯
(
み
)
を
削
(
けづ
)
られて、
殘
(
のこ
)
ったは
骨
(
ほね
)
と
皮
(
かは
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
だから、あらゆる方面に向つて、
奥行
(
おくゆき
)
を
削
(
けづ
)
つて、一等国丈の
間口
(
まぐち
)
を
張
(
は
)
つちまつた。なまじい張れるから、なほ
悲惨
(
ひさん
)
なものだ。
牛
(
うし
)
と競争をする
蛙
(
かへる
)
と同じ事で、もう君、
腹
(
はら
)
が
裂
(
さ
)
けるよ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これを
石斧
(
せきふ
)
と
呼
(
よ
)
んでゐますが、
長
(
なが
)
さはたいてい
五六寸
(
ごろくすん
)
あるひは
二三寸
(
にさんずん
)
ぐらゐのもので、
形
(
かたち
)
は
御覽
(
ごらん
)
のとほり
長方形
(
ちようほうけい
)
であつて
一方
(
いつぽう
)
の
端
(
はし
)
を
削
(
けづ
)
つて
鋭
(
するど
)
くしてありますが、たいていは
兩面
(
りようめん
)
から
磨
(
みが
)
いて
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
『
此處
(
こゝ
)
です。』と
一言
(
いちごん
)
を
殘
(
のこ
)
して、
先
(
ま
)
づ
鐵門
(
てつもん
)
を
窬
(
くゞ
)
つた、
私
(
わたくし
)
もつゞいて
其
(
その
)
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
ると、
忽
(
たちま
)
ち
見
(
み
)
る、
此處
(
こゝ
)
は、
四方
(
しほう
)
數百
(
すうひやく
)
間
(
けん
)
の
大洞窟
(
おほほらあな
)
で、
前後左右
(
ぜんごさゆう
)
は
削
(
けづ
)
つた
樣
(
やう
)
な
巖石
(
がんぜき
)
に
圍
(
かこ
)
まれ、
上部
(
じやうぶ
)
には
天窓
(
てんまど
)
のやうな
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
桂皮を
削
(
けづ
)
つて、熱い湯にとかして持つて来てくれた事があつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
樫を
削
(
けづ
)
つた木の
片
(
へら
)
を
妄動
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
岩
(
いは
)
を
削
(
けづ
)
つて
點滴
(
したゝ
)
る
水
(
みづ
)
は、
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
階子
(
ばしご
)
に、
垂々
(
たら/\
)
と
雫
(
しづく
)
して、
立
(
た
)
ちながら
氷柱
(
つらゝ
)
に
成
(
な
)
らむ、と
冷
(
ひやゝ
)
かさの
身
(
み
)
に
染
(
し
)
むのみ。
何處
(
どこ
)
に
家
(
いへ
)
を
燒
(
や
)
く
炎
(
ほのほ
)
があらう。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手に
從
(
したが
)
つて飛ぶ投げ錢、惡者達は鼻を叩かれ、頬を
削
(
けづ
)
られ、中には眼をやられ、
拳
(
こぶし
)
を痛められて、ドツと崩れ立ちます。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ペリイニイは一句を添へず又一句を
削
(
けづ
)
らず、その口吻態度
些
(
ちと
)
の我に殊なることなくして、人々は此の如く笑ひしなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
○さて時平が
毒奏
(
どくそう
)
はやく
中
(
あた
)
りて、同月廿五日
左降
(
さがう
)
の
宣旨
(
せんじ
)
下りて右□臣の
職
(
しよく
)
を
削
(
けづ
)
り、従二位はもとのごとく
太宰権帥
(
だざいごんのそつ
)
とし(文官)
筑紫
(
つくし
)
へ
左遷
(
させん
)
に定め玉へり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と
細
(
ほそ
)
く
竹
(
たけ
)
の
割
(
わ
)
つたのまで
呉
(
く
)
れてよこしました。その
細
(
ほそ
)
い
竹
(
たけ
)
を
削
(
けづ
)
りまして、
竹
(
たけ
)
の
子
(
こ
)
の
手桶
(
てをけ
)
に
差
(
さ
)
しますと、それで
提
(
さ
)
げられるやうに
成
(
な
)
るのです。
水
(
みづ
)
も
汲
(
く
)
めます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
なあにツちんで
俺
(
お
)
れ
毎日
(
まいんち
)
酒
(
さけ
)
ぴん
飮
(
の
)
んだな、
酒
(
さけ
)
飮
(
の
)
んぢや
惡
(
わり
)
いなんて
醫者
(
いしや
)
なんちや
駄目
(
だめ
)
だなかたで、
檳榔樹
(
びんらうじゆ
)
とか
何
(
なん
)
とかだなんてちつとばかしづゝ、
削
(
けづ
)
つた
藥
(
くすり
)
なんぞ
倦怠
(
まだるつこ
)
くつて
仕
(
し
)
やうねえから
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何人
(
なんびと
)
か
既
(
すで
)
に「一」字を
削
(
けづ
)
つて「半」字に改めし
後
(
のち
)
なりき。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
を——
或時
(
あるとき
)
、
弴
(
とん
)
さんと
一所
(
いつしよ
)
に
見
(
み
)
えた
事
(
こと
)
のある
志賀
(
しが
)
さんが
聞
(
き
)
いて、
西洋
(
せいやう
)
の
小説
(
せうせつ
)
に、
狂氣
(
きやうき
)
の
如
(
ごと
)
く
鉛筆
(
えんぴつ
)
を
削
(
けづ
)
る
奇人
(
きじん
)
があつて、
女
(
をんな
)
のとは
限
(
かぎ
)
らない
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
○さて時平が
毒奏
(
どくそう
)
はやく
中
(
あた
)
りて、同月廿五日
左降
(
さがう
)
の
宣旨
(
せんじ
)
下りて右□臣の
職
(
しよく
)
を
削
(
けづ
)
り、従二位はもとのごとく
太宰権帥
(
だざいごんのそつ
)
とし(文官)
筑紫
(
つくし
)
へ
左遷
(
させん
)
に定め玉へり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
盜られて了つては、
配偶
(
つれあひ
)
が死んでから十五年の間の、骨を
削
(
けづ
)
るやうな苦勞も、皆んな無駄になつてしまひました
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
琅玕
(
らうかん
)
もて
削
(
けづ
)
り成せるが如し。これに登らんと欲すれば、巖扉
密
(
みつ
)
に鎖して進むべからず。
推
(
すゐ
)
するに、こは天堂に到る
階級
(
きざはし
)
にして、其門扉は我が爲めに開かざるならん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
時
(
とき
)
にはもう
幾度
(
いくたび
)
か
勝負
(
しやうぶ
)
をした
揚句
(
あげく
)
に
土
(
つち
)
のついて
齒
(
は
)
のこぼれたやつを
削
(
けづ
)
り
直
(
な
)
したりして
遊
(
あそ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
聲
(
こゑ
)
あるはひとり
筧
(
かけひ
)
にして、
巖
(
いは
)
を
刻
(
きざ
)
み、
石
(
いし
)
を
削
(
けづ
)
りて、
冷
(
つめた
)
き
枝
(
えだ
)
の
影
(
かげ
)
に
光
(
ひか
)
る。
誰
(
た
)
がための
白
(
しろ
)
き
珊瑚
(
さんご
)
ぞ。あの
山
(
やま
)
越
(
こ
)
えて、
谷
(
たに
)
越
(
こ
)
えて、
春
(
はる
)
の
來
(
きた
)
る
階
(
きざはし
)
なるべし。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「知つてるわけぢやないが、地獄極樂の活人形とは、あんまり手際が違ひ過ぎる。それに、あの佛像の臺座を見ると、
銘
(
めい
)
を
削
(
けづ
)
つて書き變へた跡があるんだ」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
売茶翁
(
ちやをうるおきな
)
に問ば、これは
山蔭
(
やまかげ
)
の谷にあるなり、めしたまはゞすゝめんといふ。さらばとて
乞
(
こ
)
ひければ
翁
(
おきな
)
菜刀
(
なきりはうてう
)
を
把
(
とり
)
、
盎
(
さら
)
のなかへさら/\と
音
(
おと
)
して
削
(
けづ
)
りいれ、豆の
粉
(
こ
)
をかけていだせり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
削
(
けづ
)
りてなせる
青巌
(
あをいは
)
に
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
巌
(
いは
)
の
面
(
おもて
)
に
浮模様
(
うきもやう
)
、
末
(
すそ
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
上下
(
うへした
)
に
香
(
かう
)
の
図
(
づ
)
を
合
(
あ
)
はせたやうな
柳条
(
しま
)
があり、
虹
(
にじ
)
を
削
(
けづ
)
つて
画
(
ゑが
)
いた
上
(
うへ
)
を、ほんのりと
霞
(
かすみ
)
が
彩
(
いろど
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
崖の上を
削
(
けづ
)
つたほんの少しばかりの空地ですが、こゝで調べるには、往來から見える氣遣ひはありません。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
売茶翁
(
ちやをうるおきな
)
に問ば、これは
山蔭
(
やまかげ
)
の谷にあるなり、めしたまはゞすゝめんといふ。さらばとて
乞
(
こ
)
ひければ
翁
(
おきな
)
菜刀
(
なきりはうてう
)
を
把
(
とり
)
、
盎
(
さら
)
のなかへさら/\と
音
(
おと
)
して
削
(
けづ
)
りいれ、豆の
粉
(
こ
)
をかけていだせり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
魔的
(
まてき
)
に
警察
(
けいさつ
)
に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
んで、
署長
(
しよちやう
)
どのの
鉛筆
(
えんぴつ
)
の
尖
(
さき
)
を
鋭
(
するど
)
く
針
(
はり
)
のやうに
削
(
けづ
)
つて、ニヤリとしたのがある、と
言
(
い
)
ふ
談話
(
はなし
)
をされた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又六は伜の
銘
(
めい
)
を
削
(
けづ
)
つた上、神々しい
素木
(
しらき
)
の佛樣へ、見世物向きに、あんな下品な彩色をして了ひました。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
我が
塩沢
(
しほざは
)
近辺
(
きんへん
)
の風俗に、正月十五日まへ七八歳より十三四までの男の
童
(
わらべ
)
ども
斎
(
さい
)
の神
勧進
(
くわんじん
)
といふ事をなす。少し
富家
(
ふか
)
の
童
(
わらべ
)
これをなすには
𣖾木
(
ぬるでのき
)
を上下より
削
(
けづ
)
り
掛
(
かけ
)
て
鍔
(
つば
)
の形を作る、これを
斗棒
(
とぼう
)
といふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
木
(
き
)
を
削
(
けづ
)
る
時
(
とき
)
の
釣合
(
つりあひ
)
一
(
ひと
)
つで、
水
(
みづ
)
に
入
(
い
)
れた
時
(
とき
)
浮
(
う
)
き
方
(
かた
)
が
違
(
ちが
)
ふでねえかの、
縦
(
たて
)
に
留
(
と
)
まれば
生
(
しやう
)
がある、
横
(
よこ
)
に
寝
(
ね
)
れば、
死
(
し
)
んだりよ。……
煩
(
むづ
)
ヶ
敷
(
し
)
い
事
(
こと
)
ではねえだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「お前は默つてゐろ、——横町の御浪人は、
鎧通
(
よろひどほ
)
しで内職の
妻楊枝
(
つまやうじ
)
を
削
(
けづ
)
つてるぢやないか、御用聞き風情が、唐紙の穴を塞いだところで、御政道の
瑕瑾
(
かきん
)
にはならないよ」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
炎天
(
えんてん
)
の
海
(
うみ
)
は
鉛
(
なまり
)
を
溶
(
と
)
かして、とろ/\と
瞳
(
ひとみ
)
を
射
(
い
)
る。
風
(
かぜ
)
は、そよとも
吹
(
ふ
)
かない。
斷崖
(
だんがい
)
の
巖
(
いは
)
は
鹽
(
しほ
)
を
削
(
けづ
)
つて
舌
(
した
)
を
刺
(
さ
)
す。
山
(
やま
)
には
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
の
影
(
かげ
)
もない。
草
(
くさ
)
いきれは
幻
(
まぼろし
)
の
煙
(
けむり
)
を
噴
(
ふ
)
く。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ヒヨロヒヨロと床の間の
楓
(
かへで
)
の柱に當つて、少しばかりめり込んだのを、刄物で楓の柱を
削
(
けづ
)
つて掘り出したんだらう、それはその晩のうちに人知れずやつたことだらうが
銭形平次捕物控:262 綾の鼓
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
奧へ行つて南縁からそつと
覗
(
のぞ
)
いたことだらう、——清八が毒菓子の目印の赤い飾り種を
削
(
けづ
)
つて、お孃さんのところへ置くのを見ると、矢も
楯
(
たて
)
もたまらず、その毒菓子を
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
私
(
わたし
)
も
薪雜棒
(
まきざつぽう
)
を
持
(
も
)
つて
出
(
で
)
て、
亞鉛
(
トタン
)
と
一番
(
いちばん
)
、
鎬
(
しのぎ
)
を
削
(
けづ
)
つて
戰
(
たゝか
)
はうかな。」と
喧嘩
(
けんくわ
)
過
(
す
)
ぎての
棒
(
ぼう
)
ちぎりで
擬勢
(
ぎせい
)
を
示
(
しめ
)
すと、「まあ、
可
(
よ
)
かつたわね、ありがたい。」と
嬉
(
うれ
)
しいより、ありがたいのが
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
反けたために、僅かのところで
喉笛
(
のどぶえ
)
に突つ立つのを
免
(
まぬか
)
れたが、部屋の中の薄暗がりで、茶を入れてゐた娘の頬を
削
(
けづ
)
つて、その矢は向うの唐紙に突き立つたのだ——これぢや
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
水源
(
みなもと
)
を
岩井沼
(
いはゐぬま
)
に
発
(
おこ
)
すと
言
(
い
)
ふ、
浦川
(
うらかは
)
の
流
(
ながれ
)
の
末
(
すゑ
)
が、
広
(
ひろ
)
く
成
(
な
)
つて
海
(
うみ
)
へ
灌
(
そゝ
)
ぐ
処
(
ところ
)
に
近
(
ちか
)
かつた。
旅館
(
りよくわん
)
を
出
(
で
)
てまだいく
程
(
ほど
)
もない
処
(
ところ
)
に——
路
(
みち
)
の
傍
(
そば
)
に、
切立
(
きつた
)
てた、
削
(
けづ
)
つた、
大
(
おほき
)
な
巌
(
いはほ
)
の、
矗々
(
すく
)
と
立
(
た
)
つのを
視
(
み
)
た。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「いや、ヤスリで峰を
削
(
けづ
)
つた剃刀があるやうだが、あれは何處を
剃
(
そ
)
る時使ふんだえ」
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
丁
(
ちやう
)
ど
瞳
(
ひとみ
)
を
離
(
はな
)
して、あとへ
一歩
(
ひとあし
)
振向
(
ふりむ
)
いた
處
(
ところ
)
が、
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の
曲角
(
まがりかど
)
で、やゝ
高
(
たか
)
い
向岸
(
むかうぎし
)
の、
崖
(
がけ
)
の
家
(
うち
)
の
裏口
(
うらぐち
)
から、
巖
(
いは
)
を
削
(
けづ
)
れる
状
(
さま
)
の
石段
(
いしだん
)
五六段
(
ごろくだん
)
を
下
(
お
)
りた
汀
(
みぎは
)
に、
洗濯
(
せんたく
)
ものをして
居
(
ゐ
)
た
娘
(
むすめ
)
が、
恰
(
あたか
)
もほつれ
毛
(
げ
)
を
掻
(
か
)
くとて
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「兩端がその麻糸を掛けるやうに
削
(
けづ
)
つてあるだらう——そいつは弓だよ」
銭形平次捕物控:195 若党の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なん
)
でも
他人
(
たにん
)
の
持
(
も
)
つたのを
内證
(
ないしよ
)
で
削
(
けづ
)
らないでは
我慢
(
がまん
)
が
出來
(
でき
)
ない。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
削
常用漢字
中学
部首:⼑
9画
“削”を含む語句
削除
弓削道鏡
削屑
削立
荒削
痩削
粗削
筆削
削成
弓削新発意
削掛
削氷
楊枝削
添削
弓削
骨削
手斧削
弓削新發意
削取
削竹
...