“切立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きったて40.7%
きった33.3%
きつた7.4%
きりた7.4%
きりたて7.4%
きつたて3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
という処へ、萌黄もえぎ裏の紺看板に二の字を抜いた、切立きったて半被はっぴ、そればかりは威勢がいが、かれこれ七十にもなろうという、十筋右衛門とすじうえもん向顱巻むこうはちまき
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの空とあの雲の間が海で、浪の切立きったち岩の上に巨巌きょがんを刻んで地から生えた様なのが夜鴉の城であると、ウィリアムは見えぬ所を想像で描き出す。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
途中とちう納戸町邊なんどまちへんせまみちで、七八十尺しちはちじつしやく切立きつたての白煉瓦しろれんぐわに、がけちるたきのやうな龜裂ひゞが、えだつて、三條みすぢばかり頂邊てつぺんからはしりかゝつてるのにはきもひやした。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
で、のものどものつたはうは、ぐるみ地壓ぢおさへのくひ露顯あらはに、どろくづれた切立きりたてで、うへには樹立こだち參差すく/\ほねつなぐ。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そうかい、ああ私も今、手をこうとすると、真新しい切立きりたての掛手拭が、冷く濡れていたのでヒヤリとした。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あたか切立きつたて崖上がけうへで、えん小庭こにはに、飛石とびいしつ。躑躅つゝじ——おどろくな——山吹やまぶきなどをかるくあしらつた、角座敷かどざしき
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)