“きった”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
切立69.2%
屹立23.1%
峭立7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
目の下の崕が切立きったてだったら、宗吉は、お千さんのその声とともに、さかしまに落ちてその場で五体を微塵みじんにしたろう。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
門の前の空地の向うには、大きなS製薬会社のコンクリート壁が屹立きったっていて、ルンペンが三人ほどりかかっていた。
老巡査 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
岩は殆ど峭立きったったようにけわしいが、所々には足がかりとなるべき突出とっしゅつこぶがあるので、それを力に探りながら徐々そろそろと進んだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
瞰上みあぐれば我が頭の上には、高さ幾丈の絶壁が峭立きったっていて、そこはの虎ヶ窟なることを思いあたった。若い男と女とが社会のうるさい圧迫をのがれて、自由なる恋をたのしんだ故蹟こせきである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)