“屹立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きつりつ88.9%
きった4.8%
つゝた1.6%
そそりた1.6%
そばだ1.6%
つった1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五六ぽん屹立きつりつしたもみいたやうこずゑあひつて、先刻さつきからかるいひかりいと踊子をどりこおほうて一ぱい陰翳かげげてたのであるが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
間もなく眼の前に屹立きったっている長崎随一の支那貿易商、福昌号ふくしょうごうの裏口に在る地下室の小窓からにおって来ることがわかった。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わたくし此時このときまでほとんど喪心そうしん有樣ありさまで、甲板かんぱん一端いつたん屹立つゝたつたまゝこの慘憺さんたんたる光景ありさままなこそゝいでつたが、ハツと心付こゝろついたよ。
最早そこにはあの屹立そそりたつた岩石もなかつた。あのすさまじい濁流もなかつた。危い崖の路もなかつた。渓は唯静かにのびやかに流れた。
山間の旅舎 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
前の日に掃除に來た時二人は屹立そばだつた恐ろしい斷崖を見上げて氣臆きおくれがし、近くの眞砂町の崖崩れに壓し潰された老人夫婦の無慘むごたらしい死と思ひ合はせて、心はむやみに暗くなつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
その北穂高の東北に接し、槍と同形の峰が二百尺ばかりも屹立つったっている、小槍とでもいいたい、が穂高の所属だから、剣ヶ峰というておく。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)