“屹然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きつぜん84.8%
きっ6.1%
きっと6.1%
きつと3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
柳の立木の上に、天主堂の尖塔、屹然きつぜんと雲端を摩せるを見る。日本人五人、麦畑を縫いつつ出で来る。その一人は同文書院の学生なり。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
とウルリーケは屹然きっと法水を見据えたが、検事はその一言で、木偶でくのように硬くなってしまった——なぜなら、彼の云うのがもし真実だとすれば、あれほど厳然たる艇長の死が
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
アルトヴェル氏は倒れている男をじっと覗きこんでいたが、やがて冷静に立ちかえったらしく、屹然きっとした語調で問いかけた。
犬舎 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
審問しんもんすゝめることが出來できない』と王樣わうさまきはめて嚴格げんかくこゑで、『陪審官ばいしんくわんのこらずその位置ゐちふくするまでは——のこらず』とすこぶことばつよめて繰返くりかへし、屹然きつとあいちやんのはう御覽ごらんになりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)