“氣臆”のいろいろな読み方と例文
新字:気臆
読み方割合
きおく50.0%
きおくれ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、お孃さんと與之助は至つて輕かつた。與之助などは、ひどく吐いた後はケロリとしてゐる、青くなつて寢てゐるのは、氣臆きおくれのせゐだ。あれだけ吐くと、大抵の毒も腹には溜るまい。運が良かつたのだ」
前の日に掃除に來た時二人は屹立そばだつた恐ろしい斷崖を見上げて氣臆きおくれがし、近くの眞砂町の崖崩れに壓し潰された老人夫婦の無慘むごたらしい死と思ひ合はせて、心はむやみに暗くなつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)