“喪心”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうしん82.1%
さうしん17.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それにも拘らず、今諸戸が、この品物の処分法を指図もしないで、喪心そうしんていで立去ったというのは、よくよくの事情があったことであろう。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それが、見えなくなった後も、喪心そうしんした人間のごとく、じっと立ちつくしている。夜虹よにじのようなあまの川と秋風のささやきがその上にあった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瞬間しゆんかん處々ところ/″\くぼんでやつれた屋根やねまつたつゝんでしまつた。卯平うへい數分時すうふんじまへ豫期よきしなかつた變事へんじ意識いしきしたときほとんど喪心さうしんしてにはたふれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
お志保もた不思議さうに丑松の顔を眺めて、丁度喪心さうしんした人のやうな男の様子を注意して見るらしい。二人は眼と眼を見交したばかりで、黙つて会釈ゑしやくして別れたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)