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喪心
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さうしん
ふりがな文庫
“
喪心
(
さうしん
)” の例文
火
(
ひ
)
は
瞬間
(
しゆんかん
)
に
處々
(
ところ/″\
)
落
(
お
)
ち
窪
(
くぼ
)
んで
窶
(
やつ
)
れた
屋根
(
やね
)
を
全
(
まつた
)
く
包
(
つゝ
)
んで
畢
(
しま
)
つた。
卯平
(
うへい
)
は
數分時
(
すうふんじ
)
の
前
(
まへ
)
に
豫期
(
よき
)
しなかつた
此
(
こ
)
の
變事
(
へんじ
)
を
意識
(
いしき
)
した
時
(
とき
)
殆
(
ほと
)
んど
喪心
(
さうしん
)
して
庭
(
には
)
に
倒
(
たふ
)
れた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
お志保も
亦
(
ま
)
た不思議さうに丑松の顔を眺めて、丁度
喪心
(
さうしん
)
した人のやうな男の様子を注意して見るらしい。二人は眼と眼を見交したばかりで、黙つて
会釈
(
ゑしやく
)
して別れたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
金花はまるで
喪心
(
さうしん
)
したやうに、翡翠の耳環の下がつた頭をぐつたりと後へ
仰向
(
あふむ
)
けた儘、しかし
蒼白
(
あをじろ
)
い頬の底には、
鮮
(
あざやか
)
な血の色を
仄
(
ほの
)
めかせて、鼻の先に迫つた彼の顔へ、
恍惚
(
くわうこつ
)
としたうす眼を注いでゐた。
南京の基督
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
翅
(
つばさ
)
のおとを聴かんとして
水鏡
(
みづかがみ
)
する
喪心
(
さうしん
)
の あゆみゆく薔薇
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
喪心
(
さうしん
)
のたのしさを聴け。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
「
櫟
(
くぬぎ
)
の
根
(
ね
)
が
大分
(
だいぶ
)
あるやうだな」といひ
棄
(
す
)
てゝ
去
(
さ
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
は
雨
(
あめ
)
に
打
(
う
)
たれつゝ
喪心
(
さうしん
)
したやうに
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
戸口
(
とぐち
)
の
蔭
(
かげ
)
に
隱
(
かく
)
れて
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
たおつぎは
巡査
(
じゆんさ
)
の
去
(
さ
)
つた
後
(
のち
)
漸
(
やうや
)
く
姿
(
すがた
)
を
表
(
あら
)
はした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
簀
(
す
)
の
子
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
の
筵
(
むしろ
)
に
横
(
よこた
)
へて、
喪心
(
さうしん
)
したやうに
惘然
(
ばうぜん
)
として
立
(
た
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
復
(
ま
)
た
卯平
(
うへい
)
の
糜爛
(
びらん
)
した
火傷
(
やけど
)
を
見
(
み
)
た。
彼
(
かれ
)
は
何
(
なに
)
を
思
(
おも
)
つたか
忙
(
いそが
)
しく
雪
(
ゆき
)
を
蹴立
(
けた
)
てゝ、
桑畑
(
くはばたけ
)
の
間
(
あひだ
)
を
過
(
す
)
ぎて
南
(
みなみ
)
の
家
(
いへ
)
に
走
(
はし
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
喪
常用漢字
中学
部首:⼝
12画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“喪心”で始まる語句
喪心狼狽