南京の基督なんきんのキリスト
或秋の夜半であつた。南京奇望街の或家の一間には、色の蒼ざめた支那の少女が一人、古びた卓の上に頬杖をついて、盆に入れた西瓜の種を退屈さうに噛み破つてゐた。 卓の上には置きランプが、うす暗い光を放つてゐた …