“画舫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がぼう30.8%
がほう30.8%
ぐわはう15.4%
ゴンドラ7.7%
ぐわばう7.7%
ぐわぼう7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或る華奢かしゃなる美術狂某がこの地に天然の趣味を欠ぎたるを恨み、吉野、嵐山の桜の花片を汽車二列車に送らしめてこれを御茶の水に浮べ、数艘の画舫がぼう
四百年後の東京 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「ここに一人の少年と、一頭のムク犬がおります、拙者の従者なのですが、画舫がほうの片隅へ召しつれて差支えございますまいか」
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
酒楼の下の岸には画舫ぐわはうもある、舫中の人などは胡麻半粒ほどであるが、やはり様子が分明に見える。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
是は三四郎にもわかつた。何だか※ニスらしい。画舫ゴンドラにでも乗つて見たい心持がする。三四郎は高等学校に居る時分画舫ゴンドラといふ字を覚えた。それから此字がすきになつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この間肥つた奥さんと一しよに、画舫ぐわばうに乗つてゐた人かしら。いやいや、あの人は髪の色が、もつとずつと赤かつた。では秦淮しんわいの孔子様のべうへ、写真機を向けてゐた人かも知れない。
南京の基督 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かの蒼然さうぜんたる水靄すゐあいと、かの万点の紅燈と、而してかの隊々たいたいふくんで、尽くる所を知らざる画舫ぐわぼうの列と——嗚呼ああ、予は終生その夜、その半空はんくうに仰ぎたる煙火の明滅を記憶すると共に、右に大妓たいぎを擁し
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)